デジタルネイチャー時代の鬼才・落合陽一さんの新プロジェクト「Fairy Lights in Femtoseconds」がまさに魔法

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もはやメディアアートと呼ぶだけでは足りない。

人間、自然、デジタルリソース(コンピューター)がシームレスにつながり合う世界観「デジタルネイチャー」を提唱する、メディアアーティスト・筑波大学助教の落合陽一さん

ギズモードは以前、彼の音響浮揚を使った指向性スピーカー「Pixie Dust」についてインタビューしました。


このインタビューの中でちらっとこんなことを予告したの、覚えてますか…?

近々、光を使った新しい研究も公開されるとか。この技術を使えば、今までのようにタッチパネルを設置しなくとも、空中に入力インターフェースを置くことや、触れる映像を作ることも可能。まさにサイエンス・フィクションが現実になろうとしています…。


そしてつい先日、こんな動画が公開されました。タイトルは「Fairy Lights in Femtoseconds」。



空中をくるくると回転する光の粒。指先で触れるとより明るく発光して形が変わります。光の粒の隊列は、ティンカーベルやSIGGRAPH(世界的なCGの学会)のロゴマーク、ハートなど、どんな形もつくれるみたいです。


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中でも驚いたのは、動画00:25あたりからの正方形をタッチするとチェックが入るもの。空中にチェックボックスができてる、ってことです!


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焦点に集中させたレーザーによるプラズマの発光


どういう仕組みなのか、光っている部分についてだけざっくり言うと、高強度のレーザー光を、空気中のある点に集中して照射し、プラズマを発生させているんです。光の粒は、このプラズマが瞬間かつ連続的に発光している結果というわけです。

レーザーに触るって痛くないの?って思うかもしれませんが、落合さんの研究チームの論文によると、「Fairy Lights in Femtoseconds」は名前のとおり、Femtoseconds(=フェトム秒:1000兆分の1秒)スケールの非常に短いパルスレーザーなので安全だそうですよ。

空中に浮く3Dディスプレイ、触れる光。テクノロジーがどんどん見えなくなって、落合さんの言葉どおり「自然」になっていきますね。「Fairy Lights in Femtoseconds」の詳しい解説動画などはプロジェクトページからご覧ください。


source: Digital Nature Group

(斎藤真琴)