アジャイル組織のためのホラクラシーアプローチ

HolacracyOneのパートナーであるBrian Robertson氏は最近のブログで、アジャイル組織のためのホラクラシー(Holacracy)アプローチについて語った。

これは組織運営の新しい方法です。マネジメント階層から権限を取り除き、権限を明確な役割に分散させるのです。自律的に機能して、マイクロマネジメントするボスはもういません。

ホラクラシーというアプローチは、組織のあらゆる面でアジリティを実現するための完全なシステムを提供する、とBrian氏は述べている。

Yammerの共同創業者であるAdam Pisoni氏は、ブログでホロクラシーを次のように定義している。

それは組織を構築、統治、運営するための包括的なプラクティスであり、今日のトップダウンの予測と制御によるパラダイムを、分散された権力によって制御する新しい方法に置き換えます。ちょうど今、このシステムはZapposMediumなどの会社に活用されています。

Adam氏によると、アジャイルという開発システムが仕事をスプリントに分割するのと同じように、ホラクラシーは短いサイクルで、会社にそのルール、役割、目的、権限を再検討させるという。これは事前に計画しすぎるのを防ぐのに役立つ。また、計画、方針、信念を、定期的に、頻繁に見直す機会を与えてくれる。

Adam氏は従来の組織構造とホラクラシー組織構造の違いをこう説明する。組織がホラクラシーを採用すると、人々はもっとネットワーク化され、一つ以上の役割を果たし、これまでの階層を壊すことを気にせずに、合理的にチーム/サークルを移るようになる。

Brian氏はホラクラシーは4つの点で従来のマネジメントモデルと異なるという。

  1. 職務記述書がない - 多くの会社には、ひとり一つの職務記述書がある。それらはたいてい不正確で、時代遅れで、日々の仕事に無関係だ。ホラクラシーでは、複数の役割を、たいてい異なるチームで持ち、役割記述書は実際に仕事をしているチームによって常に更新される。
  2. 権限移譲がない - ホラクラシーでは、権限は真に分散され、判断は最前線の人によってなされる。チームは自己組織化される。チームには目的が与えられるが、その最善の達成方法はチーム内部で決定される。このようにして、ホラクラシーは従来の組織階層を、相互接続されているが自律的なチームの集まりに置き換える。
  3. 大きな組織変更がない - 従来の会社では、組織図は数年おきに改訂される。ホラクラシーでは、組織構造はサークルごとに毎月更新される。
  4. 社内政治がない - ホラクラシーにおいて、権限の分散はリーダーの手から権限を奪い、それを他人やグループに与えることが重要なわけではない。重要なのはむしろ、権限の座をトップにいる人から明確なプロセスに移すということだ。

Adam氏はまた、意思決定の分散は容易ではないと述べている。それは学習行動と根強いメンタルモデルに反している。権限の分散は白黒ではなく、幅がある。

もし組織の反応を良くしたいなら、たとえ一度に少しずつでも、権限を分散させる方法を見つけることから始めるべきでしょう。