「のび太のくせに生意気だ」アニメ『ドラえもん』で言い出したのは――声優・たてかべ和也の通夜で明かされたエピソード | ニコニコニュース

『ドラえもん [ジャイアン編]』(小学館)
おたぽる

「のび太のくせに生意気だ」――『ドラえもん』において、ジャイアン、スネ夫、のび太の関係がハッキリと一言でわかる名言として知られているが、テレビアニメでの言い出しっぺは一体誰なのか? これまで諸説あったが、6月23日に執り行われた初代・ジャイアンの声で知られるたてかべ和也さんの通夜にて、その長年の謎が明かされることとなった。

 この「◯◯のくせに」のフレーズは侮蔑的な響きも感じさせるが、相手とのハッキリした距離感が感じられる明快さも相まって、現代でも脈々と受け継がれ、ヒットゲーム『勇者のくせになまいきだ。』や、現『HKT48』メンバー・指原莉乃冠番組となった2011年のバラエティ番組『さしこのくせに』(TBS系)など、どこかしらで聞くものとなっている。いち早く『ドラえもん』の原作マンガでも使われていたという、このフレーズ。たてかべさんの通夜を取材していたワイドショースタッフによれば、アニメ版で初めて使った人物について言及される場面があったという。

「この日、たてかべさんの55年の親友で、初代・スネ夫の声優を務めた肝付兼太さんが、囲み取材に応じてくれたんです。その思い出話の中で、肝付さんは『ジャイアンと一緒にのび太をいじめるときに、僕がアドリブで「のび太のくせに生意気だ」と言ったんです。これはアドリブだったんですけど、言った時に金魚鉢(アフレコスタジオ内)が賑やかになりましてね。「余計なことを言って後で怒られるんじゃないかな」と思ったんです。そうしたら文芸の方もその後、ちゃんとセリフを(劇中に)何度も入れていて』と、ハッキリ明言してました」

 その後も肝付さんは「街を歩いていた時に、若い方のTシャツに『のび太のくせに生意気だ』と入っていたんですが、あれは僕の著作権なんですよ」と、ジョークを交えて報道陣を沸かせ、親友の死という内心ではやりきれない心をまぎらわせていたという。

 そんな中、"2代目"ジャイアン【註:日本テレビ版を除く】の木村昴さんも、涙ながらに取材に応じたという。

「木村さんは2代目ジャイアンとして、初代を大きな壁と感じていたそうで、不安に思うことが多かった、と心情を話していました。木村さんへのたてかべさんからのアドバイスは『思い切りやれ』の一言だったそうです。それと、生前にたてかべさんから貰った手紙で『初代と比べられていろいろつらいこともあるかもしれないけど、すごく光栄なことだからジャイアンをやってくれ』というメッセージをもらったそうで、『きのう読み返していて、もう一度気合が入りました』とも話していました」(同)

 通夜では肝付さんが弔辞の最後に「ジャイアンのくせに、なぜ先に逝っちゃうんだよ!!」と叫び、多くの参列者を号泣させていたとのこと。これからも「◯◯のくせに」とのフレーズを聞くたびに、目頭が熱くなりそうなエピソードだ。合掌。