数分で完売、ネット転売も=発行自治体、対策に苦慮―プレミアム宿泊券など | ニコニコニュース

 国の交付金を原資に、地方自治体が相次いでプレミアム付き宿泊券などを発行している。販売開始から数分で完売になる人気チケットもあり、各自治体は「地域活性化の起爆剤になる」と期待。一方、インターネット上で転売されるケースも散見され、担当者は対策に頭を悩ませている。

 鳥取県は4月1日、県内163施設で使えるプレミアム宿泊券「とっとりで待っとるけん」を全国の大手コンビニで発売した。1万円分の宿泊券を5000円で購入できると注目が集まり、注文が殺到。用意した1万4000枚がわずか4分で売り切れた。

 高いプレミアム率が人気に拍車を掛けた格好だが、転売も目に付き、県観光戦略課によると、今月23日までに少なくとも計140枚がネットオークションに出品された。「地域振興の目的に外れている。税金が使われたチケットの転売で利益を得るのはおかしい」と担当者。「県迷惑防止条例に触れる可能性もあり、見つけるたびに県警に相談している」という。

 夏ごろに旅行券を発売する予定の富山県は、こうした転売を防止するため、実際の「券」を発行しない方針だ。額面5000円分を2500円で販売するが、大手旅行サイトなどと連携し、旅行プラン代から割り引かれる「クーポン方式」を採用する。担当者は「この方式なら本人確認は容易。そもそも現物がなければ転売は困難になる」と語った。

 内閣官房によると、転売の一律禁止は難しいという。病気などのやむを得ない理由で旅行を断念するケースもあり得るためだ。官房の職員は「営利目的と、そうではない転売の線引きは難しい。一律禁止で券が使われずに終わり、消費喚起につながらないのも意味がない」と話している。