生活困窮者を支援する宿泊施設を退所した男性の生活保護費をだまし取ったとして、警視庁八王子署は27日、詐欺の疑いで、NPO法人「東京サポートセンター」(東京)の元事務局長今村泰明容疑者(50)=東京都世田谷区船橋=を逮捕した。同署によると、容疑を認め、「金に困っていた。飲食費に使った」と話しているという。

 逮捕容疑は、2008年10月〜09年3月ごろ、同NPO法人が運営する施設(立川市)に入所していた男性が無断で退所し、行方不明になったにもかかわらず、入所しているように装い、男性の代理人のふりをして生活保護費計約77万円をだまし取った疑い。

 同容疑者は偽造した委任状や元入所者の印鑑などを悪用するなどの方法で、生活保護費を6回にわたって受け取っていたとされる。

 同署によると、今村容疑者は時効分を含めると入所者2人分の生活保護費計約1180万円を八王子市から不正に受け取っていたとみられる。不正に気付いた同市が告訴。東京サポートセンターは発覚後に同容疑者を解雇し、全額を市に返還した。