小樽ひき逃げ、危険運転争う=「酒で前方注視困難」否定―被告側・札幌地裁 | ニコニコニュース

 北海道小樽市で昨年7月、飲酒運転で女性4人をはね死傷させ、現場から逃走したとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた元飲食店従業員海津雅英被告(32)の裁判員裁判の初公判が29日、札幌地裁(佐伯恒治裁判長)で開かれ、被告は罪状認否で「酒の影響で前方注視が困難な状態ではなかった」と述べた。弁護人も「よそ見をした過失による事故だ」と述べ、過失運転致死傷罪にとどまり、危険運転罪は成立しないと主張した。

 海津被告は遺族らに対し、「申し訳ないことをした」と謝罪した。判決は7月9日。

 札幌地検は昨年8月、4人の死傷について過失運転致死傷罪で起訴していたが、同10月に刑のより重い危険運転致死傷罪への訴因変更を地裁に請求し、認められていた。

 検察側は冒頭陳述で、海津被告は近くのビーチで事故の約12時間前から酒を飲み、運転前にシャワーを浴びた際、服の置き場が分からなくなるほどの状態だったと指摘。事故現場が見通しの良い直線道路であることや、被告が捜査段階で「4人に全く気付かなかった」と供述していたことなどを挙げ、「(事故の状況は)アルコールの影響なしには説明できない」と主張した。

 一方、弁護側は冒頭陳述で、被告は運転前の数時間は酒を飲んでおらず、酩酊(めいてい)状態にはなかったと指摘し、事故はスマートフォンを見ていた脇見運転によるものだと訴えた。