「抱かれたいカンガルーNo.1」筋肉隆々の男前カンガルーが話題=オーストラリア | ニコニコニュース

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TOCANA

 中性的、または女性的とも言われる男性が注目を集めている昨今だが、筋肉隆々の逞しい体つきの男性が視界に入れば、性別を問わずやはり気になってしまう人もいるのではないだろうか――。そしてそれは人間界に限った事ではないのかもしれない。6月4日付の「Daily Mail」が今、世の男女から熱い視線を浴びている、とある"男前"な生き物について報じている。

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■身長2m、ケンカが強いハンサムなロジャーとは一体誰!?

 オーストラリア北部にある、アリス・スプリングスの保護区域に暮らすアカカンガルーのロジャー。写真に写るその姿は実に堂々としており、まるでボディビルダーのような鍛え上げられた肉体には目を見張るばかりだ。

 この保護区域のリーダーでもあるロジャーは年齢9歳で、直立すると体長は2m、体重は89kgというヘビー級の体格だ。

 彼の日課は仲間のオスを相手にキックボクシングのスパーリングを欠かさないことと、何と金属製のバケツを両前脚で軽々と潰す事だと教えてくれたのは、この保護区域の管理者であるクリス・バーンズさんだ。

 バーンズさんはロジャーの日課はこれだけに留まらず、世話係のバーンズさんを追い掛け回す事も日課の一つなのだと「Daily Mail」に話している。群れのリーダーであるロジャーは通常穏やかな性格だが、彼自身やメスのカンガルーたちに何者かが不必要に近づけば、グループを守るためにいかなる者でも攻撃するという正義感も持ち合わせている。

 しかしこのロジャー、一見強く逞しく向かうところ敵なしのヒーローのようだが、実はその生い立ちは現在の姿からは想像も出来ない辛酸なものだったのだ......。


■悲しみを乗り越え最強のカンガルーに!!

 バーンズさんは元々、未開拓の地などを案内するツアーガイドだったが、2005年に意を決してアリス・スプリングスにカンガルーの保護区域を設立した。2006年にバーンズさんがハイウェイ上でメスのカンガルーの亡骸を発見した際、ポケットに入っていたのがロジャーだったのである。母親が身を挺して守ったお陰でロジャーは生き延びたが、生後すぐに母を失った悲しみはいかばかりであっただろう。

 バーンズさんが保護しているカンガルーのほとんどは母親を何らかの理由で失った赤ちゃんカンガルーであり、彼は現在までに200頭の子カンガルーの代理母となり守ってきたのだ。ロジャーのように幼くして母親を失った子カンガルーたちは心に傷を負っているが、バーンズさんの下ですくすくと成長していく。その中でもロジャーの存在感は大きく、バーンズさんも群れのリーダーであるロジャーを誇らしく思っているようだ。そんな屈強な男前、ロジャーにも意外な一面があるらしい。

 4月のイースター(復活祭)の前にファンから贈られたウサギのぬいぐるみを抱きしめる姿に、ネット上では「抱かれたい!」というコメントが飛び交っており、何故か男性からも「俺はロジャーだったら迷わず抱かれるぞ」「俺も抱いてくれ!」という謎の熱いコメントが寄せられている。とても微笑ましいショットだが、バーンズさんによるとロジャーにこのぬいぐるみを見せた時、ロジャーは素早くぬいぐるみを奪い取り殴る、蹴る等の攻撃をしかけ、まるでキックボクシングの試合を見ているようだったと振り返っている。

 保護区域で働くターニー・バーンズさんによれば「ロジャーはまだ成長過程で、これからさらに大きくなるでしょう。大きくなればなる程、多くのメスが寄ってくるのです」と言い、アカカンガルーのオスはロジャーと同等、またはそれよりも体が大きいのは珍しくないと付け加えた。そのスター性と群れをまとめて守る責任感を併せ持つ男らしいロジャーは、まさに最強のカンガルーと言っても過言ではないはずだ。また2013年にはカンガルー保護地区の様子を追ったドキュメンタリー番組『カンガルー・ダンディー』がイギリスで放送され、彼らの日々の暮らしが紹介された。

 オーストラリアでは、住宅街に突如現れたカンガルーや、いきなり路上でキックボクシングを繰り広げるカンガルーたちの画像などが頻繁に撮影されてネット上で公開されているが、やはりロジャーの男前な姿にはかなわないと思うのは筆者だけであろうか。これからもその肉体美を武器に、世界中の人を魅了してほしいものである。
(文=清水ミロ)

※画像は、YouTubeより