任天堂RPG「同性婚可能」に複雑 | ニコニコニュース

ゲーム内での同性婚が可能となった『ファイアーエンブレムif』※この画像はサイトのスクリーンショットです
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任天堂が6月25日に発売したニンテンドー3DS向けソフト『ファイアーエンブレムif』で、主人公キャラクターが同性のキャラクターとゲーム内で結婚できる仕様があることが明らかとなった。

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『ファイアーエンブレムif』は、人気のシミュレーションRPGシリーズの最新作。『白夜王国』『暗夜王国』の2バージョンが同時に発売されており、どちらのバージョンでも主人公は男女から選べるが、『白夜王国』では女性主人公の同性婚が、『暗夜王国』では男性主人公の同性婚がそれぞれ可能となっている。また、後日ダウンロード配信予定の第3のシナリオでは男女両方の主人公キャラクターが登場し、いずれについても同性婚ができるという。

任天堂は『ファイアーエンブレムif』で同性婚が可能になったことについて、報道各社に対し声明を発表。「当社は当社のゲームプレイ体験が、当社が事業活動を行う地域社会における多様性を反映させたものであるべきだと考えます」と説明している。

2014年に任天堂が発売したニンテンドー3DS向けソフト『トモダチコレクション新生活』ではゲーム内で同性婚ができないと海外のゲームファンから批判を受けたこともあった。こういった意見を考慮したうえで、性的マイノリティーが存在している現実社会に照らし合わせる形で、今回同性婚が可能となったと思われる。

しかし、日本では別の視点から今回の件をとらえるゲームファンも多い。ツイッターでは、

「FE(註:ファイアーエンブレムの略)が同性婚までおkになったらもう物凄い混沌じゃないですかね。素晴らしいと思います。CP厨(註:カプ厨、キャラクターのカップリングを楽しむ人のこと)、カンッキィー!」


「おい、腐女子共!!
最新作のFEは同性婚ができるらしいぞ
百合好きにもたまらん仕様みたいだ」

などと、“多様性”の問題としてではなく、“BL”や“百合”と呼ばれる“同性愛表現”として楽しんでいるユーザーが多いのだ。

任天堂の声明とは温度差を感じるこれらの反応に、苛立つネットユーザーもちらほら。ツイッターでは、

「FEの同性婚問題に関しては、腐女子的サムシングとか公式が病気とかってレベルじゃなく、展開する日本国外における人種差別問題や同性愛問題に根ざした対応だと公式でプレスされてるのに、浸透しないってのが、日本における同性愛への無理解の象徴なのよなとため息をつきたくなる」


「さっきのFEの同性婚の話、みんなバックグラウンドを理解していないらしく『公式が病気www』みたいなリアクションが多くてえっ、てなってる。日本は現状、これくらいの理解らしいです」

などと“多様性”の問題に対して理解度が低い日本の現状に対する嘆き節も聞こえてきた。

物議を醸している“ゲーム内での同性婚問題”。違和感なく、性の多様性を受け入れる土壌となるのか、現実の問題とともに注視されるところだ。

※当記事は2015年06月28日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。