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その2はあるのか?

1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 19:50:57.481 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「今日はパソコンの基礎について学びましょう。」

おまいら「はい先生!」

大先生「パソコンと言えばキーボードやマウスは欠かせない存在ですが…」

おまいら「先生!ぼくのタブレットにはキーボードもマウスも付いてません!」

大先生「ソフトウェアキーボードでもお馴染みのQWERTY(クオーター)ですが、今日はキーボードの基礎に付いて紹介します。」

おまいら「先生!ほくのスマホはフリック入力だからQWERTYじゃないです!」


3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 19:55:06.864 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「みなさんはタイプライター、と言う物を見たことはありますか?今の時代、キーボードに取って代わって見かけることが少なくなって居ますが、元を辿るとタイプライターに行き着きます。」

大先生「1714年にイギリスのヘンリー・ミルがタイプライターに酷似した機械の特許を取得していますが、詳細は分かっていません。この時代のタイプライターは文字を書けない人のために考案

されました。」

大先生「1829年7月23日、ウィリアム・オースチン・バートが特許を取得した"Typowriter"も、他の数多くの初期の機器と同じく「世界初」のタイプライターとされています。ロンドンのサイエンス・

ミュージアムでは「タイプライターの構造として文書が残っている発明として世界初」だとしていますが、Turriの発明も文書が残っており、バートよりも古いです。」

大先生「バートが開発したタイプライターは自信が使用しても手書きより遅く、その特許が買い取られることは無かったので発売されることはありませんでした。」

Typowriter


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米国特許No.5581X、米国特許庁。アンドリュー・ジャクソン大統領のサインがあります。


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1830年、バート自身がタイプした印紙です。


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バートがTypowriterを使用している光景


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4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 20:01:35.026 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「19世紀中頃、仕事での通信文書が増えてきた頃から文章を書くプロセスを機械化する需要が高まってきました。これは速記や電信では1分間に130語程度を書き記すことができますが、普通にペンを使って文章を書くと1分間に30語程度が限界だったからです。」

大先生「1874年には、バートが開発した機械の改善を多くの開発者が行っており、"type-writing"と呼ばれるようになりました。これは1886年にレミントンタイプライタ会社が"typewriter"を公表し、1919年には1語として認められ、バートが開発した印刷機はtypewriterと呼ばれました。」

大先生「残念ながらバートが開発したマシンは非常に遅く、それが販売されることはありませんでした。サイラススポールディングが改良を提案しており、1830年3月17日に75ドルでに売却しています。最終的に販売には至っていません。」

大先生「1865年、デンマークのラスマス・マリング=ハンセンがハンセンのライティングボールと呼ばれる物を発明し、1870年に製品として初の商業生産がされました。試作機ではキーの配置を変えることで早く書けることを発見しました。」


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大先生「ライティングボールは半球の上に複数のピストン状の物があり、それを押し込むと反対側にある紙に文字を印刷するようになっています。この構造と文字の配置により当時最高速度で文章をタイプできるようになり、手書きよりも高速に書ける最初のタイプライターとなりました。」

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 20:05:42.751 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「商業的に成功を収めた最初のタイプライターは、ミルウォーキーのクリストファー・レイサム・ショールズらが1867年に発明した物ですが、自身はこの機械が気に入らず推奨することさえ断っています。その特許(79,265号)は Densmore and Yost が1万2000ドルで買い取り、E・レミントン・アンド・サンズに製造を依頼し"Sholes and Glidden Type-Writer"として発売されました。」


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大先生「レミントンのタイプライター生産は1873年に開始され、この時使われたキー配列がQWERTYになっており、これが商業的に成功した原因と考えられています。その後QWERTY配列と呼ばれ、他の業者にも徐々に採用されていき、キーボードとして今現在でも使われています。」

おまいら「先生、QWERTYの他にも配列って存在するの?」

大先生「良い質問ですね。クリストファー・レイサム・ショールズが1867年に試作したタイプライターはABC順になっており、後にアルファベットの前半を左から右に、後半を右から左へ配置しました。」

大先生「入力されたアルファベットを印字する機械としてはデイビッド・エドワード・ヒューズとジョージ・メイ・フェルプスによって製作された印刷電信機が当時すでに実用化されています。キー配列は母音AEIYUOが上段に取り出され、最上段には数字が加えられ完成しました。1=I、0=Oによって代用できることから省かれています。」


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6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 20:10:16.143 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「QWERTYが誕生した経緯は語られておらず、諸説あります。有名なのが「タイプバー(印字棒)がジャムる(絡まる)のでわざと打ちにくい配列にした」と言う説と、「セールスマンがTYPE WRITERと打ちやすくする為、上段にキーを集め他のキーを配置した」と言う説です。」

大先生「どちらも仮説に過ぎず、結論には至っていません。タイプバーが絡むのであれば「ER」「TR」「TH」と言った二重子音が近くに配置される訳も無く、そもそも手書きより早くするために開発されたタイプライターで遅くする理由がありません。」

大先生「定説としては「出来るだけ打ちやすくしかも絡みにくい配列」が挙げられます。「わざと打ちにくい配列にした」という説が広まった理由が、実際に合理的でない配列だからと言うのがなんとも言えませんね。」

大先生「QWERTY配列は合理的で無いと言う理由からDHIATENSORを始め様々な配列が考案されました。しかしタイピングの養成学校ではQWERTY配列のタイプライターが使われた為、タイピストがQWERTY配列を習得した頃には市場を席巻してしまいました。」


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7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 20:11:48.896 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「当時は二本指を使う拾い打ち(hunt and peck method)が使われており、今の指全てを使うタッチタイピングが行われたのは1890年代後半からです。」

大先生「先ほどの画像で"CAP"と言う文字がありましたが、これが今のパソコンでも使われているCaps Lock(Capital Lock)と同じなのは言うまでもありませんね。当時、Shiftキーを押すことでキャリッジ機構全体を上下にシフトさせ、タイプバー上の別の文字を印字させる構造でした。Shiftキーに↑が書かれているのはキャリッジ機構をシフトすることを表し、タイプライターの名残が残っています。」

大先生「大文字を印字するたびにShiftを押し続けるのは負担となっていて、これを解消する為にShift LockやCaps Lockが生まれました。Back Spaceはタイプライターでの行送りを1文字分後退するためのキーとして使われていました。紙なので実際に文字が消えず、同じ文字を印字し強調する用法に用いられました。現在はカーソル手前の文字を削除するのに使われていますね。」

大先生「EnterとReturnがありますが、これはEnter(改行)は文字通り改行しかされずキャリッジを戻す必要がありました。これを解消したのがCarriage Return(復帰)で、キャリッジを元の位置に戻す役割があります。厳密には違いますが、今のパソコンでは同じ効果と思って差し支えませんね。」

大先生「1936年にワシントン大学の教育心理学者ドヴォラク(August Dvorak)博士が、アルファベットの出現頻度に基づき打鍵効率の向上を徹底追求したDSK(Dvorak Simplified Keyboard)を開発し特許を取得しました。」

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 20:15:44.895 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「Dvorak配列(ドボラック)は第二次世界大戦中アメリカ海軍で研究され、その優位性が証明されました。実際に様々なタイプコンテストで優勝者はDvorak配列を使用しており、ギネス記録にもDvorak配列で出されています。」

大先生「Dvorak配列はQWERTY配列より10-40%優れており、腱鞘炎の予防にも有効とされています。1983年にはANSI第二規格となっています。ローマ字入力に特化したDvorakJPも存在します。」


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大先生「ここまでがQWERTY配列誕生の由来です。和文タイプライターなど日本独自での発展もしており、ブラザー工業はタイプライターで世界シェア1位を誇っています。タイプライターのその後の歴史やコンピュータによる衰退もありますが、ここでは省きます。」

大先生「アメリカと日本ではキーボードの歴史が重なっている点が多いことから、まずはアメリカで普及しているASCII配列について説明しましょう。QWERTY配列を初めて搭載したコンピューターが1949年に販売されました。これが世界初のプログラム内蔵式のコンピューターで"EDSAC"(エドサック)と言います。」


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9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/28(日) 20:20:36.462 ID:ZusZV+/G0.net

大先生「コンピューターからPC、パーソナルコンピューター発展したのはIBM 5100が登場してからとなります。1975年6月にリリースされ、当時はポータブルコンピューターと呼ばれていました。

これまで部屋一つを占領するメインフレームコンピューしか無かったので、技術革命と言っても過言ではありません。」


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大先生「IBM 5100で採用されたキーボードには"Beam Spring"と言うスイッチが使われており、後にリリースされたモデルにも採用されています。」


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大先生「次にバックリングスプリングを採用したキーボードが現れますが、現在の物と違い静電容量になっていました。これが1981年8月に発表されたIBM 5150と呼ばれるモデルで、

IBM PC/XT 83keyのキーボードが使われます。」


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大先生「1986年4月にはIBM 5160-089に初の101キーボードが発表されます。1390120と呼ばれるモデルで、1986-1987年の短い期間しか販売されておらず、その知名度はあまり高くありません。

LEDが非搭載なのはPC/XT後期型の仕様で、モード切替をLEDで表示する機能が無かったからです。」


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