少年時代を過ごした岡山市で講演する映画監督の高畑勲さん=29日午後
共同通信社

 太平洋戦争時を題材にした「火垂るの墓」などのアニメ作品で知られる映画監督の高畑勲さん(79)が29日、少年時代を過ごした岡山市で講演し、「憲法9条は(戦争をしないための)最後の歯止めとして変えてはいけない」と訴えた。講演は戦後70年に合わせ同市などが主催した。

 高畑さんは1943年から54年に岡山県立高を卒業するまで同市で過ごした。市によると、45年6月29日未明に市は空襲を受け、約1700人が命を奪われた。

 講演では「空襲当時は9歳。パジャマではだしのまま、人が流れる方向に逃げた」と説明。「遺体だらけだった。怖くて震えが止まらなかった」と述べた。