Microsoft Azure は Nasuni のストレージベンチマークテストでトップとなった!

クラウド NAS とストレージ会社である Nasuni がクラウドストレージのベンチマークテスト年報を発行した。Microsoft Azure Storage は性能、可用性、スケーラビリティのトップであり、同ベンチマークテストには Amazon S3 や Google Cloud Storage はもちろん他のサービスも含まれている。

Nasuni の年報は The State of Cloud Storage と呼ばれ、主流なクラウドサービスに一定のパラメータでベンチマークテストを実施した結果をまとめている。今年、Nasuni は対象を三つのクラウドサービスプロバイダ(Microsoft Azure Storage、Amazon Simple Storage Service (S3)、Google Cloud Storage)とした。IBM SoftLayer と HP Cloud Storage も考慮すべき企業として考えられたが、スケジュールとベンダー戦略の方向性変更の欠如により対象外とした。

ベンチマークテストでは各クラウドサービスのスループット/可用性/スケーラビリティに関するパラメータでテストを実施する。速度テストでは、各ストレージプロバイダに対して大量の書き込み/読み込み/削除を実施して機能を測定する。各サービスに対し、Nasuni は各ファイルの大きさを違った並列度で変更してテストを実施する。可用性テストでは、各サービスの単一読み込み/単一書き込み/単一削除処理を60秒ごとに行った場合のレスポンスタイムを30日間にわたり測定する。スケーラビリティテストでは、各サービスに対して一定のオブジェクト数を増加し続けるテストを実施する。

Nasuni の手法は複数地理をまたがった VM 設定の構成を伴ったベンチマークとテストを実施する。ベンチマークテストは、ストレージプロバイダのファイルサーバにおけるデータ量に対してパフォーマンスを評価できるように設計されている。各ファイルは Nasuni の実顧客が利用しているファイルと同様のサイズでの分類を表している。可用性テストは VM がプロビジョニングされたラックスペースでテストを実施する。「レスポンスタイム」のメトリクスは、単一読み込み/単一書き込み/単一削除処理を各プロバイダに対して60秒ごとに実施したレスポンスタイムだ。スケーラビリティテストでは内部マシンを利用して最短時間で最大のスケーラビリティ数値に到達できるか調査する。

性能のベンチマークでは Microsoft Azure Storage が勝者となった。しかし、Amazon S3 はファイルサイズが大きな場合に Azure の性能と競い合っている。

二つ目の可用性に関するテストでは、Amazon と Microsoft は同率だ。Google Cloud Storage は平均的に .5 秒レスポンスタイムが遅く、他クラウドサービスである S3 や Azure Storage に比べて5倍近くも遅い。

3つ目はスケーラビリティに関するテストであり、分散書き込み速度/書き込み損失数/読み込み損失数を各サービスで測定している。本テストでは、Google と Microsoft の書き込み損失がゼロだが、Amazon は 5回の書き込みエラーがありエラー率は .000005% だった。Microsoft Azure Storage は読み込み/書き込みエラーがなく、高速であり、もっとも Variance が高い。

Nasuni ベンチマークの最終報告によれば、Microsoft はパブリッククラウドストレージの提供会社としてはトップである。小・中サイズのファイル操作に対し、Micorsoft の最高速度は Amazon の約2倍に近い。巨大なファイルについては Amazon の方が書き込み/読み込み速度が速いが、削除のスピードは Microsoft の方が早い。

今回で Azure が Nasuni ベンチマークテストでトップを取るのは2回目になる。