『進撃』原作者・諫山氏がネガティブ質問 小野大輔と神谷浩史は… | ニコニコニュース

『劇場版「進撃の巨人」後編~自由の翼~』舞台あいさつイベントに登壇した(左から)神谷浩史、小野大輔、諫山創氏、荒木哲郎監督 (C)ORICON NewS inc.
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 人気アニメ『劇場版「進撃の巨人」後編~自由の翼~』の舞台あいさつイベントが4日、都内で行われ、出演声優の小野大輔、神谷浩史、原作者の諫山創氏、荒木哲郎監督が登壇した。

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 諫山氏から「『進撃の巨人』にかかわって何が嫌でしたか?」というまさかのネガティブ質問をぶつけられ、リヴァイ役の神谷はここぞとばかりに「リヴァイという大役を任されて、人気者になることを義務付けられたキャラクターにどういう声を当てればいいんだ! そんなプレッシャーに勝てるわけない」と吠え、会場の笑いを誘っていた。

 続けて神谷は「いまとなってはこんなすばらしい役をいただけて、声優になって本当によかった。こんな幸せな声優は他にいないだろうと思えるくらい誇りになっています」と胸を張った。

 一方、エルヴィン役の小野は「エルヴィンがわからないという時期が長かったので、そこがつらかった。この人にとっての幸せってなんだろうと考え始めると、どんどんネガティブな気持ちになっていった」と乾いた笑い。

 諫山氏は「作者(の頭の中でもキャラクター設定)がふんわりしていた」とぶっちゃけ、「最近、描くにつれてエルヴィン像が固まってきて、がっつりエルヴィン回みたいなものが頭の中にできてきたかな」と明かすと、会場から拍手が起こった。今月9日発売の連載誌『別冊少年マガジン』8月号(講談社)に「ちょっとだけ調査兵団の若い頃を描いています」とアピールしていた。

 2013年4月より放送されたテレビアニメシリーズから手がける荒木監督は、“ふんわり”していたエルヴィン像について「アニメーターさんたちには、エルヴィンは調査兵団の団長というだけでなく、この作品の世界の中で一番の、究極の男、と説明していました。何か捨てなければ、何かを得られないというシビアな選択を突き詰めていった男がエルヴィンなんだと。主人公のエレンや第104期の団員、リヴァイさえも彼の背中を追っていく存在。いかに、人間的なカッコよさが描けるかを考えていた」と話した。

 小野もアフレコを通じて「大切なものを投げ打って、何かを得ようとしている、その前向きな気持ちは受け取ることができた」とフォロー。「凄惨なシーンも多いけれど、この作品に流れているエネルギーはとてもポジティブで、エルヴィンのせりふで言うならば『前進せよ』。これからも『進撃の巨人』というすばらしい作品を前に進めていきましょう」と、来年予定されているアニメ2期に向けて決意を新たにしていた。

 原作は2006年「講談社マガジングランプリ」佳作入賞後、『別冊少年マガジン』で連載中。アニメ化のほかにも、ゲームや多数の企業とのコラボレーション企画など、あらゆるメディアに広がりを見せ、実写映画の公開も間近に控える(前篇『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』は8月1日、後篇『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』は9月19日公開)。

 諫山氏は「気持ち先行で、気持ちだけで、それ以外のものは置いてきぼりにして描き進めてきた感があります」と振り返った。「いま現在、いろんなプロの方々の手によって、素晴らしい作品ができ上がっている。いろんな負担を強いて、それは申し訳ないんですけど、その苦労が画面ににじみ出ているような気がして、大変、すごいものになっていると思います」と現状をかみしめ、感慨ひとしおの様子だった。