発売迫る『バットマン:アーカム・ナイト』開発のキーマンにインタビュー! 「いままで作ってきたゲームの中でベストだ」 | ニコニコニュース

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 海外ではすでに発売され、非常に高い評価を獲得している『バットマン:アーカム・ナイト』。アメコミや映画でもおなじみのダークヒーロー“バットマン”を主役に、その孤高の戦いを描くアクションゲーム『アーカム』シリーズの最新作であり、日本国内でもいよいよ2015年7月16日、ワーナー エンターテイメント ジャパンよりプレイステーション4向けに発売される。

 あとは発売を待つだけではあるが、『アーカム・ナイト』を手掛けた開発スタジオ、rocksteadyのSocial Marketing ManagerであるGaz Deaves氏が来日。発売日を待ち望むファンに向けたメッセージだけでなく開発秘話を聞くことができたので、その模様をお届けする。

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●ディテールをおろそかにすることなく広大な世界を構築

――海外での評価も高く、日本のファンも発売日を待っています。


Gaz 日本の皆さんに遊んでいただけると思うと、たいへんワクワクしますね! 『アーカム』シリーズでは初めて日本語にフルローカライズできたのも、非常にうれしく思っています。

――新作がリリースされるたびに高評価を獲得してきた『アーカム』シリーズですが、本作はその完結編ということで、ユーザーの期待は高まるばかりでした。


Gaz 新世代機のパワーで、私たちが本当に作りたいと思っていた『バットマン』のゲームが実現できるようになりました。皆さんのそんな期待に応えられるよう、私たちも限界を越えてこのゲームに打ち込みましたね。

――新世代機での開発はいかがでしたか?


Gaz 大きな挑戦となりましたが、いままでシリーズを楽しんでくれたファンも納得できるだけのディテールを維持しながら、さらに大きなオープンワールドを構築することを目指しました。スケールもゲーム内の環境も拡大できるとなった場合、ディテールを犠牲にする選択を下すディベロッパーもあるかもしれませんが、それは私たちの意図に反することです。本作では、ディテールをおろそかにすることなく、広大な世界を構築できたと思います。

――いまは、オープンワールドがメインストリームになり、“ならでは”の要素がないとポイントにはなりませんね。


Gaz オープンワールドはいまや主流ですから。開発人数も膨大になるので苦労は多いですが、緩慢にならないよう、ゴッサム・シティでは何かしらどこかで起きているようにしました。これもディテールの一種だと思います。手順書を作ってその通りに開発したのではなく、多くのスタッフがそれぞれ思いを込めて構築した世界なので、バラエティーに富んだ体験ができますよ。

――今回のゴッサム・シティは夜で、ずっと雨が降っていて……。


Gaz それが、ゴッサム・シティです! ゴッサムに太陽は似合いません(笑)。

――夜間になることで光の表現、雨が降ることで水の表現がシビアになると思うのですが、それは杞憂でした。デザインも独特で、オリジナルのゴッサム・シティとなっていました。いままでの中でも突出していると思います。


Gaz 私もいちばん気に入っています! アートディレクターを務めたDavid Hegoは「ファンが“これはゴッサム・シティだ”と納得できる街にしながらも、新しい要素を加えた。時代を越えた街がゴッサム・シティであり、ゴシックの教会と近代的な高層ビルが並び建ち、電子掲示板の下を1950年代のようなクルマが走っているんだ」と言っていました。時代設定が限定できないように構築しているんです。

●より深いゲームプレイが楽しめる要素の数々

――まさに集大成と呼ぶにふさわしく、本作にはさまざまな要素が詰まっています。


Gaz なかでもプレイヤーに注目してほしい点は、スケールですね。ゴッサムの広さは前作『アーカム・シティ』の5倍で、ドライブするには最適な広さになっています。それに、バットモービルです。移動だけでなく、戦闘でも活躍しますし、謎解きでも力を発揮します。その能力を駆使することで、ゴッサムのドライブはかなり刺激的なものになりますよ!

――初めてバットモービルを操作したときはビックリしました。クルマのようでクルマではないというか……。どこか有機的な感じで、その能力もすさまじい。


Gaz バットモービルをプレイされた皆さんは、まず驚かれますよね。私も、プロトタイプでバットモービルのバトルモードをプレイしたときは、その動きに驚きましたから。バットモービルは、本作を象徴する乗り物です。戦闘、ステルス、調査などのバットマンの能力を、拡大させるためのガジェットであり、広大なゴッサムを駆け抜ける移動手段ともなります。このバットモービルをいかに操るかで、プレイスタイルは大きく変わるでしょう。

――フリーフローコンバットシステムにも新しい挙動が増えていますね。


Gaz 新しい敵にも対応できるよう、挙動を増やしました。とはいえ、戦闘のスピードはそこまで速くしていません。なぜなら、プレイヤーにはじっくりとコンボを考えられるようにしたかったのです。いろいろな挙動がありますが、難関を突き進むために重要なものもあれば、ただカッコイイだけのものもあります(笑)。今回は、とくにテイクダウンのパターンを増やしました。私が好きなのは、パンチからキックで巴投げで……(実際に動き始める)というコンボが好きです。

――動画ではないので、伝わらないかも(笑)。感覚的にコンボをつなげられるので、アクションゲームとしての間口は広いですよね。慣れてくれば戦略的な戦いもできるようになります。


Gaz より多くの人にプレイしてもらいたいですし、自分のスタイルに合わせて自由に戦ってほしいですね。それができるだけの許容が、このゲームにはあります。そのうち、お気に入りのテイクダウンが見つかると思いますよ。たとえば、私は守りを重視したコンボが好きですが、妻は攻撃的なコンボが好きなんです(笑)。皆さんも思うように楽しんでもらえるとうれしいですね。

――仲間とのデュアルプレイも、意欲的な挑戦です。


Gaz このアイデアは、自然に生まれたものです。新世代機のパワーで同時に多数の敵を表示できるようになったこともあり、30~40人の敵が一斉に襲ってくる状況と、混沌に陥ったゴッサム・シティはマッチすると考えました。私たちはつねに、ユーザーがゲームプレイを楽しめることを第一に考えて開発しています。そこで、本作らしく、しかも楽しく大多数の敵を倒せる方法を考えていたところ、デュアルプレイが誕生しました。結果として、アクションのバリエーションも増えたので、意味のあるものになったと思います。せっかくナイトウィングが出てくるのに、少数を相手に戦うのもおもしろくないでしょう?

――どのシステムも、プレイヤーを飽きさせまいという狙いを感じますね。


Gaz そうですね。ゲームプレイはもちろんですが、ストーリーとキャラクターにm厚みを持たせることで、より深いゲームプレイが楽しめるようにしました。皆さんにはゲームプレイをどんどん進めてもらいたいので、ストーリーには謎が多くなっています。謎を解明するうちに、“バットマンは道を間違えたのか?”と考えるかもしれません。どう思うか、どうするのかは、プレイヤーの皆さんに委ねますが。

――プレイヤーを物語に惹き込む要素として、すべてがシームレスにつながっている点は大きいですね。まるで自分がバットマンになったかのような感覚になります。


Gaz そう思っていただけるとうれしいです。本作でロード画面が見られるのは、ゲームスタート時と、敵に倒されてリトライするときだけです。バトルシーンとカットシーンもシームレスにつながって描写されるので、すべてがスムーズに進みます。バットマンのスキンを変更していれば、そのスキンでカットシーンも進行しますよ。

――スキンと言えば、海外版では各国別でさまざまなスキンのDLCが特典となっています。日本では予約特典に“初登場時のバットスーツ”のスキンがありますが(詳細はこちら)、海外版のスキンが日本で入手できる機会はあるのでしょうか?


Gaz やっぱり手に入れたいですよね! まだどうなるかわからないので、ワーナー エンターテインメントにいる友人に頼んでみましょうか(笑)。皆さんも、ぜひリクエストしてください。

●『アーカム・ナイト』には、積み上げてきた経験をすべて投入

――たくさんのキャラクターが出ることも魅力的ですが、お気に入りのキャラクターは?


Gaz スケアクロウですね。バットマンは悪に対して“恐怖”を武器に戦いますが、スケアクロウはより巧みに“恐怖”を武器とします。何をするのかわからないですし。両者の力関係は、ストーリーを進めていくことでダイナミックに変化します。この点も、皆さんに楽しんでいただけると思います。

――リドラーの謎解きも楽しみにしているファンが多いですよ。


Gaz リドラーはとても大事なキャラクターです。プレイという観点から見ても役割は大きく、彼とバットマンとの関係性はストーリーに大きな影響を与えます。ただ、ものすごくセリフが長いので、スクリプターはとても苦労したみたいですが(笑)。

――リドラーの謎解きも含めて、膨大なサイドミッションにも注目です。


Gaz たくさんのヴィラン(悪役)が登場するので、そのぶんサイドミッションも豊富になりました。彼らは、あらゆる手段でバットマンに立ち向かいます。ペンギンは各所に武器を隠していて、トゥーフェイスは銀行を襲おうとしていて、ハーレークィンはギャングを率いて暴れ回り、ファイアフライは火災を狙って行動しています。ゴッサムのあちこちで、何かしらの事件が起きているのです。プレイヤーが混乱しないよう、ミッションホイールを使えばそれぞれのミッションを簡単に確認できるようにしました。もちろん、ただ街を移動しているだけでも事件に遭遇します。あらゆる事件の解決方法は、プレイヤー次第です。

――原作ファンとしてお聞きしたいのですが、本作を開発する際に参考にした『バットマン』作品はありますか?


Gaz 私たちはコミック版の大ファンだし、おもちゃやグッズがそこらかしこにあるくらい、バットマンを愛しています。しかし、バットマンのゲームを作るにあたって私たちは、あらゆるメディアに登場するバットマンの“コア”な部分を見ています。決して、映画やコミックをゲーム化しようと考えて開発していないんです。ただ、rocksteadyのスタッフはかなりのファンが揃っているので、ファンの方々はゴッサム・シティをくまなく探索してみてください。あっと驚くようなものが隠されているかもしれませんよ。

――シリーズをプレイしていなくても、登場人物の関係性や背景はゲーム内で説明されますし、物語そのものがしっかりとしているので、初めての方も楽しめますね。


Gaz 『アーカム・ナイト』のストーリーは、本編だけでも壮大なものになっています。もちろん、映画版のファンもコミック版のファンも満足してもらえるものになっていると思います。ネタバレになってしまうので言えない部分はたくさんありますが、ラストはとにかく大きなイベントとなっていますよ。最大の敵を失ったバットマンはどうなるのか? ゴッサム・シティは、ヴィランはどうなるのか? いままで触れられてこなかった世界が、本作では描かれるところも楽しんでいただきたいですね。

――rocksteadyが手掛ける『バットマン』のゲームは、これが最後ですか?


Gaz 私たちからは、予定していませんね。『アーカム』シリーズはこれで完結します。私たちは『アーカム』シリーズに多くの愛を注ぎ込んできました。『アーカム・ナイト』には、これまで積み上げてきた経験をすべて投入しました。8年前には想像もできなかったゲームが、ここに完成して皆さんに遊んでもらえることを誇りに思っています。日本の皆さんに、早くゴッサム・シティを楽しんでほしいですね。ゲームディレクターのSefton Hillが、本作は「いままで作ってきたゲームの中でベストだ」と言っていましたが、私も同感です。

――ちなみに、ここまでのゲームを作り上げたことで、つぎの作品も注目されると思いますが、どのようなゲームを作ってみたいですか?


Gaz いまは何のアイデアもありません!(笑)。ディレクターの目は“キラリ”と光っているかもしれませんが、私は1ヵ月くらいビーチでゆっくりしたいですね(笑)。

 余談だが、今回のバットモービルの操作感は、個人的には『攻殻機動隊』に出てくる多脚戦車“タチコマ”を思い出させるものだった。縦横無尽に変形してスピーディーに動くさまや、ミサイルや機銃といった武器を搭載しているところが、その理由だ。と、Gaz氏に伝えたところ、「アニメは知っていますよ! ただ、“タチコマ”はよく覚えていないので調べてみますね」とのこと。何を言っているのか? と思われる方も多いだろうが、ぜひ実際にその手で確認していただきたい。納得してもらえると思う。確かに最初は少しとまどうが、チュートリアルミッションもあるので、じっくり練習して操作に慣れれば、ゲームプレイの幅は大きく広がる。

 『バットマン:アーカム・ナイト』は、海外の評価が高いのも納得の完成度となっていることは間違いない。『バットマン』にあまり興味がなくても、アクションゲームが好きな人なら、しっかりと楽しめる作品だ。プレイステーション4を持っているなら、rocksteadyのすべてが注ぎ込まれたこのゲームに触れてみてほしい。よりゲームの内容を知りたくなった人は、今回取材したGaz氏も出演している公式サイトのトレーラーをチェックしよう。かなり細かい部分まで解説しているので、本作を理解するには最適だ。

BATMAN: ARKHAM KNIGHT software (C) 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Rocksteady Studios. BATMAN and all characters, their distinctive likenesses, and related elements are trademarks of DC Comics (C) 2014. All Rights Reserved. WB GAMES LOGO, WB SHIELD:(TM) &(C) Warner Bros. Entertainment Inc.(s14) ※画面は開発中のものです。