フリーマガジン『R25』がまさかの休刊 Web版とブランド統合へ | ニコニコニュース

雑誌『R25』 公式サイトより
KAI-YOU.net

7月3日(木)、リクルートホールディングスが発行するフリーマガジン『R25』が休刊を発表した。

【フリーマガジン『R25』がまさかの休刊 Web版とブランド統合への画像・動画をすべて見る】

定期刊行されていた『R25』は9月24日(木)の発刊号をもって休刊。以後は『R25』のWeb版として展開していた「web R25」とブランド統合を行い、Webメディア「R25」として展開していくという。なお、特別号という形でのフリーマガジン刊行は継続される。

ブランド統合時期は10月1日(木)。ブランド統合の理由については、スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスでの閲覧者数が社会的に増加していることを挙げている。

『R25』が想定読者層とする30歳前後のビジネスマンのライフスタイルの変容がささやかれている。

フリーマガジン/フリーペーパーブームを牽引した『R25』


今回、突然の休刊を発表した『R25』は、2004年7月1日に創刊されたフリーマガジン/フリーペーパー。

首都圏の主要鉄道の駅構内や、コンビニエンスストア、書店、飲食店などにラックスタンドが設置され、無料配布を行っていた無料情報誌だ。

想定読者層を30歳前後のビジネスマンにすえ、経済情報から雑学、カルチャーなどの幅広いコンテンツを無償で提供することにより、2011年時点では55万部の発行部数を数えていた。最盛期は首都圏60万部、返本率2%という驚異的な数値だったともいわれている。

新社会人向けの『R22』や25歳から34歳のOLを対象とした『L25』といった兄弟姉妹雑誌も発行されるなど、その読者層を広げつつ、「フリーマガジン」「フリーペーパー」というメディアのジャンルを多くの人に認知させることに成功した雑誌だ。

『R25』以後、様々なジャンルのフリーマガジン/フリーペーパーが学生や社会人サークルの間で編集、刊行されるといったブームが生まれた。

デジタルデバイスを主軸とした情報メディアに


上述したように、大きな影響力を誇っていた『R25』だが、10月1日からはWebメディアとして展開される。また、すでに『R25』アプリというiPhone、iPad向けのアプリでコラムの配信も行っている。

「Web R25」としてWeb上でのコンテンツ配信もすでに行われているものの、ブランド統合後はリニューアルを行い、従来のニュースコラム型コンテンツに加え、『R25』で展開していたようなストック型のコンテンツも提供していく予定だという。

世代を問わず、スマートフォンを中心とするライフスタイルへの急速なシフトが行われている昨今。雑誌だけでなく多くのメディアが方向性や形式の変化を試みている。『R25』の休刊もまた、時代変化の大きな表れなのかもしれない。

休刊は非常に残念であるものの、デジタルデバイスに対応した新しいWebメディア「R25」への期待も大きい。