自民、合区容認へ=「野党4党案」軸に調整―対象候補は比例で処遇・参院選改革 | ニコニコニュース

 参院自民党執行部は4日、「1票の格差」を是正する参院選挙制度改革で、隣接する選挙区を統合する「合区」を容認する方針を固めた。民主、公明両党が共同で合区案を打ち出す中、定数是正策を唱えるだけでは他党の協力は得られないと判断した。ただ、大規模な合区への党内の慎重論は根強く、維新の党など野党4党が掲げる小規模合区案を軸に調整を急ぐ。

 野党4党案は、定数是正に「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区を組み合わせる「10増10減」案。新党改革が立案したもので、合区を嫌う自民党内の意見に配慮して、対象選挙区を最小限の範囲にとどめている。自民党幹部は4日、「もう野党4党案に乗るしかない」と語った。

 参院では単独過半数に足りない自民党だが、野党4党を加えると過半数に届く。安全保障関連法案が今月中旬にも参院に送付されれば混乱も予想されるため、10日までに結論を出したい考えだ。

 自民党が合区容認に傾いたのは、連立を組む公明党の20選挙区を10に合区する案を、民主党が与野党の垣根を越えて丸のみしたことが大きい。維新など野党4党からも結論を出すよう促されるなど、合区に後ろ向きだった自民党を取り巻く状況は厳しくなっていた。

 参院執行部は、合区により選挙区からの立候補を断念せざるを得なくなった候補については、比例代表で処遇する方向で調整を進める。3日には国会内で合区に反対する若手らに「合区を含めた新しい案を出さなければいけない」と理解を求めた。