【ボン時事】ドイツのボンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は4日、日本が推薦した「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の世界文化遺産登録の可否についての審議を5日午後3時(日本時間同日午後10時)から行うと決定した。当初は4日に審議予定だった。

 ユネスコ諮問機関は5月に登録を勧告したが、委員国の韓国が「施設の一部で戦時中に朝鮮半島出身者の強制労働が行われた」として登録反対を主張。6月21日の日韓外相会談で、日本が太平洋戦争中の歴史について説明を加えることなどで協力を取り付け、両国が内容の協議を続けていた。

 同委員会は持ち越しの理由を明らかにしていないが、日本政府関係者などによると、日韓両国の協議が難航しているためとみられる。

 新規登録は全会一致が原則だが、意見がまとまらない場合は投票で決めることもある。その場合は日韓を含む21の委員国の3分の2以上の賛成が必要。否決されたり、半数以上が審議延期を求めたりした場合は、翌年以降の審議に回される可能性もある。