衆参両院は5日、警視庁とともにテロ対策合同訓練を国会内で初めて行った。昨年10月にカナダ連邦議会議事堂で銃撃事件が発生するなど、海外で国会を巻き込んだテロが発生していることを受けた取り組みで、武装テロリストに対し、国会職員の衛視と警視庁が連携して対処する訓練を実施した。

 訓練は、銃器や爆発物を持ったテロリスト3人が議事堂内に侵入し、立てこもり事件が発生したと想定。衛視らが速やかに警察当局に通報し、議員らの避難を誘導。出動した機動隊員がテロリストを制圧し、爆発物の処理を行った。

 国会法などでは、国会内の警備は衛視が行うと定めており、警察が議事堂内に入るのは異例だが、武装テロリストには対応できないとして、連携強化に踏み切った。訓練を視察した大島理森衆院議長は記者団に、「開かれた国会にするためにもテロへの備えが大事だ。しっかり勉強していただきたい」と語った。