【レポート】あの北九州の世界遺産を支えた伝統菓子はびっくりするほど固かった! | ニコニコニュース

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7月5日、「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして世界文化遺産に登録された八幡製鐵所。その八幡製鐵所から生まれたとあるお菓子が、北九州で長い歴史を持つ伝統銘菓として名を馳せていることをご存じだろうか?

そのお菓子とは、「くろがね堅パン」と「くろがね羊羹(ようかん)」。商品名の「くろがね」は「鉄」の古称で、いずれも大正時代に官営八幡製鐵所(現在の新日鐵住金八幡製鐵所)で誕生した。そして現在はスピナが製造・販売している。

○製鐵マンたちの栄養補給目的で誕生

それにしても、なぜ製鐵所が本業と無関係の堅パンや羊羹を開発することになったのだろう? その答えはずばり、数万人もいた従業員のカロリー補給のため。工場内の過酷な労働環境下で、長時間働き続けるためには十分な栄養摂取が必須。そこで、当時の栄養事情をかんがみた会社が従業員に栄養補助を行ってもらうべく、購買会で販売するようになったのだ。

長く保存できるよう、極力少ない水分で作られている堅パンは、鉄のような堅さであることが大きな特徴。堅い食べ物はアゴの強化のためにもいいと言われるが、実際、地元には、乳幼児期のアゴの発育や歯固めを目的に給食に取り入れている幼稚園もあるとのこと。

口にしてみると、確かに咀嚼(そしゃく)にかなりの労力を要すため、小顔になりたい女性にもオススメできる。定期的に食べることでアゴが鍛えられるばかりか、シャープな顔立ちになれるといううれしい副次効果も得られそうだ。しかも、よく噛(か)んで食べることで満腹中枢が刺激されるので、適量でおなかが満足するゆえに健康維持にも一役買ってくれそうだ。1袋5枚入りから展開している。

○万が一の時のために備えておきたい

もちろん、保存食としても大いに役立つこと間違いなし。阪神・東北の震災発生時にも現地に送って喜ばれたというが、いざ何か起きた時に慌てず済むよう、各家庭で備えておくのもいいだろう。

保存用としてうってつけは、スチール缶タイプ(堅パン5枚入り×34袋入り)。蓋をすれば椅子にもなることから、災害時の移動中にも役立つこちらのタイプは、3月に幕張メッセで開催されたアジア最大級の食のイベント「FOODEX JAPAN2015」において、「ご当地缶詰グランプリ」の銀賞とビジュアル審査賞をW受賞している。

一方の羊羹は、重さ160g・長さ13cmというコンパクトサイズ。従業員のポケットにすっぽり入る形状だったことから、作業の合間にかじってスタミナを補給した製鐵マンもいたんだとか。

また、昼夜を問わず稼働し続ける工場を支える労働者の疲れを癒やして体力を回復させる狙いで、敢えて甘みの強い上白糖を使っていることもポイント。もちろん、肉体だけでなく、オーバーワーク気味な現代人の脳の疲れを取るためにもうってつけ。渋めの緑茶なんかと合わせて食べると、頭が瞬時にシャキっとしそう!

堅パン・羊羹ともに、商品が誕生した当時の堅さ・甘さにこだわっていることから、「北九州の味」として市民に定着しているため、進学や就職のために故郷を離れた人にとっては「懐かしの味」ともいえるだろう。福岡出身者もそうでない人も、世界遺産登録のおめでたいこのタイミングで、ぜひ一度味わってみてほしい。

※記事中の情報・価格は2015年6月取材時のもの

(観月陸)