イギリスで「人工血液」が臨床試験段階に

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いつか献血ルームがなくなる日が来るかも。

先週イギリスの国民保健サービス(NHS)が驚くべきニュースを発表しました。今後2年の間に2人の志願者に対して、ラボで作られた人工血液を輸血する臨床試験を行なう予定なのだそう。もちろん世界で初めての試みです。

NHSが「世界初の”人工血液”」とよんでいるものは、厳密に言うと生物由来で、新生児のへその緒あるいは成人の骨髄から抽出された幹細胞から作られます。ラボ内で適切な化学環境と刺激を作ってやると、幹細胞を完全な赤血球に成長させることが可能なのですって。研究者たちは長い間、幹細胞を操作する技術を研究してきましたが、ついに人体に輸血できるレベルの血液を作れるところまで技術が進歩してきたのですね。


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人工血液という言葉だけ聞くとちょっと不気味ではありますが、すでに行なわれている人工組織や人工臓器の移植と同じく、人工血液も実現すれば素晴らしい利点があります。まず病院は緊急輸血用の血液を十分に確保しておけるようになりますし、まれな血液疾患を持った患者さん用の血液や、ドナーの見つかりにくいめずらしい血液型の血液を用意しておくこともできます。さらに一度もヒトの体内に入ったことのない血液なので病気の心配がないことが保証されています。そのためHIV感染症や肝炎といった血液感染する病気の防止も期待されているんです。

このたびイギリスで行なわれることになった世界初の臨床試験では、志願者にスプーン数杯分の血液が注射され、有害反応がないか確認するとのこと。またラボで作られた血液細胞が実際に人体内でどれくらいの期間生き延びられるのかも確認されます。これまでの予備テストでは、人工血液は人間の体内で作られた血液細胞と生物学的に同じとまではいかなくても同等という結果が出ているそう。ただ生物には予想外の驚きがつきものですから、臨床試験の結果がどうなるかは実際に行なわれてみないことにはわかりませんね。


source: The Independent

Maddie Stone - Gizmodo US[原文
(mana yamaguchi)

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