ギリシャ国民投票、緊縮策に大差で「反対」=首相が勝利宣言―ユーロ離脱に現実味 | ニコニコニュース

ギリシャで5日行われた国民投票は即日開票され、欧州連合(EU)などが金融支援の条件として受け入れを求めた財政緊縮策への反対が賛成を大きく上回った。写真は投票後に演説するギリシャのチプラス首相。【EPA=時事】
時事通信社

 【アテネ時事】ギリシャで5日行われた国民投票は即日開票され、欧州連合(EU)などが金融支援の条件として受け入れを求めた財政緊縮策への反対が賛成を大きく上回った。内務省が発表した暫定集計(開票率97.34%)によると、反対61.32%、賛成38.68%。当初は拮抗(きっこう)も予想されたが、大差となった。これで6月末に打ち切られた支援は再開のめどが立たなくなり、ギリシャは経済・金融の混乱が拡大してユーロ圏からの離脱に追い込まれるシナリオが一気に現実味を増してきた。

 週明けの世界の金融市場は、ギリシャショックによる大きな混乱も予想される。

 「反緊縮」を呼び掛けたチプラス首相は、投票で信任された形。首相は5日夜のテレビ演説で「(EUとの)交渉を力強く進める力を与えてくれた」と勝利宣言した。

 投票結果を受け、EUには衝撃が走った。EUはユーロ離脱の不安をあおってギリシャ国民に緊縮策の受け入れを迫ったが、効果は限定的で、大きな誤算となった。

 AFP通信によると、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は同日の電話会談で、投票結果は尊重されるべきだとの認識で一致。6日にパリで会談し、今後の対応を協議する。ユーロ圏は7日に緊急首脳会議を開く。

 ギリシャ国民の大多数はユーロ離脱に反対だが、国民投票で「反緊縮」を突き付ければEUの譲歩を引き出せると主張したチプラス首相を支持。しかし、EU側が応じる可能性は小さい。