牛乳業界「乳和食」猛アピール 消費減に危機感「だまされたと思って」 | ニコニコニュース

「さばのミルクみそ煮」。減塩、いつもより作り方は簡単、がウリ=Jミルク提供
withnews(ウィズニュース)

 新潟県三条市の学校給食で9月から、牛乳が献立から消えます。米をはじめとする和食中心の給食に合わないことが理由でした。ユネスコの無形文化遺産に登録されるなど和食が見直されるなか、牛乳業界には頭の痛い話です。そんななか猛アピールしているのが「乳和食」という調理法。牛乳を調味料のように加えて和食をおいしく仕上げます。

【画像】意外といける? ミルクつけつゆそうめん・ミルクポテトサラダ

和食の弱点をカバー
 酪農・乳業の業界団体「Jミルク」は3月、「乳和食」のレシピサイトをオープンしました。乳和食とは、みそやしょうゆなど日本の伝統的調味料に牛乳を組み合わせておいしく和食を食べてもらう料理法。最大のメリットは、和食で多くなりがちな塩分を減らせること。不足しがちなカルシウムも補えるといいます。
 どんなレシピがあるのでしょう。
 「さばのミルクみそ煮」「かぼちゃのミルクそぼろ煮」など、和食の王道をいくような料理に、牛乳をたっぷりと使います。
 だし汁を牛乳に代えることで、塩分を抑えてコクのあるだしになります。牛乳でのばすことでみそやしょうゆは半分以下の分量ですみ、おいしさはそのままだそうです。

「だまされたと思って」
 Jミルクの広報によると、乳和食は、料理家の小山浩子さんが提唱した料理法で、最近注目が高まっているといいます。
 牛乳メーカーも積極的です。
 「和食の定番、煮魚に牛乳を入れちゃうなんて!でも、だまされたと思って、やってみてください」。そんな文句で乳和食のレシピページを設けているのは、牛乳メーカーの明治です。「和食と牛乳の新しいカタチ」として「ミルク豚汁」などを掲載しています。
 雪印メグミルクでも乳和食のレシピが紹介されています。

減り続ける生産量
 学校給食の牛乳をめぐっては、三条市以外に、京都市でも月に一度の「和食推進の日」は牛乳を出さないことになりました。
 こうした逆風のなか、Jミルクはレシピの紹介だけでなく、和食の食材として牛乳を活用することの可能性や意義についての研究会もつくっています。
 牛乳の生産量は、20年前は500万キロリットルを超えていましたが、2014年度には345万キロリットルに減っています。消費を支えていた学校給食も少子化で先細りが予想されるなか、牛乳業界は新たな活路を探しています。