「自撮り」事故に注意=女子大生転落死、警察が対策―ロシア

 【モスクワ時事】ロシアで若者が自分を撮影する「自撮り」の最中に転落死するなどの事故が相次ぎ、警察が対策に乗りだした。交流サイトで写真を見せ合うのがブームとなる中、地元テレビは「『いいね!』のために命を犠牲にするな」と警鐘を鳴らしている。

 死亡事故は4日未明、高層ビルが立ち並ぶモスクワの新都心「モスクワ・シティ」を望む陸橋で発生。21歳の女子大生が卒業式を終えて友人らと酒に酔い、夜景を背景に自撮り中、約15メートル下の路上に転落した。

 警察によると、今年に入ってから国内で起きた自撮り事故は約100件。モスクワでは警備員の置き忘れた拳銃を見つけた21歳の女性が自分とともに写真に収めようとして、シャッターの代わりに引き金を引いて頭部を誤射する惨事も起きた。

 警察はこのほど、道路標識などを模した「安全なセルフィー(自撮り)」のためのマークを作成。「屋根や鉄塔に登るな」「道路や線路で自撮りをするな」など、「冒険心旺盛」と言われるロシア人ならではの注意書きばかりだ。

 相次ぐ事故は社会問題化し、地元テレビでは英語の「スーサイド(自殺)」をもじった「セルフィサイド(自撮り死)」という造語も登場した。