中国農村で豚として7年間育てられた男児を保護 3歳児ほどの体格で、言葉も話せず…… | ニコニコニュース

豚とともに、車に乗せられる男児
日刊サイゾー

 めまぐるしい発展を遂げる都市との格差が一向に縮まらない中国の農村で、またしてもショッキングな事件が明るみとなった。

 今月初め、河南省東北部の農村で、両親によって、なんと豚と一緒に育てられていた男児が保護されたのだ。7歳になるこの男児は、栄養が足りていないためか3歳児ほどにしか見えず、言葉もまったく話せなかった。

 地元紙「濮陽早報」の報道によると、村に入ると鼻を突く臭いがあたりに充満しており、その悪臭は男児とその両親が住む家に近づくと、さらに強烈になっていったという。

 男児の家には、母屋があるものの、そこに暮らしていたのは両親のみ。男児の寝床は、豚を飼うためのスペースだった。隣人の話によると、男児は1年中、風が吹こうが雨が降ろうが雪が降ろうが、家の中には入れてもらえず、そこで膝を抱えて寝ていたという。豚ですら夜は屋根のついた小屋で寝起きしており、その扱いは豚以下だったといってもいい。

 男児の父親は、村の食堂からもらい受けた生ゴミで豚を育てながら、村人の足となる乗り合い三輪車を夜中までこいで生活の糧としていた。しかも、豚の餌として受け取った生ゴミの中からまだ食べられそうなものを探し出し、家族の食事にしていたというから、その貧しさは相当なものであったようだ。

 一方の母親は、男児の頭をドアや地面に打ちつけるなど、虐待する姿も目撃されていた。しかし、状況を目の当たりにしていた隣人たちも、どうすることもできなかったという。

 ボランティア団体によって保護された男児は、両親のもとから離され、親戚の家に預けられることに。そして18歳になるまで、男児には地方政府から毎月500元(約1万円)の援助金が支給されることが決定した。

 しかし中国全土には、彼のような境遇にありながら保護されることのない子どもたちが、何千何万人といることだろう……。
(文=佐久間賢三)