『アンジェリーク ルトゥール』キャストインタビュー 優希比呂さんに聞く14歳のマルセルを演じるうえでのポイントとは? | ニコニコニュース

ファミ通.com

文・取材・撮影:編集部 オスカー岡部

●優希比呂さん「マルセルには学ぶところばかり」

 コーエーテクモゲームスは、2015年10月1日にプレイステーション Vita、プレイステーション・ポータブル用ソフト『アンジェリーク ルトゥール』を発売する。

 本作は、女性向け恋愛ゲーム"ネオロマンス"シリーズ初の作品として1994年に発売した恋愛シミュレーションゲーム『アンジェリーク』をリメイクした作品。『アンジェリーク』シリーズは、スピンオフも含めこれまでに8作品が発売されており、アニメ化、マンガ化、CD化など、さまざまなメディアミックスも行われており、現在も根強い人気を誇っている。

 本作では、主人公(プレイヤー)は宇宙を統べる女王の後継者候補に選ばれ、"守護聖"たちとの恋を展開しながら、与えられた大陸の育成を進めことになる。ここでは、緑の守護聖、推定年齢14歳の"マルセル"を演じる優希比呂さんへのインタビューをお届けしよう。

【画像3点】「『アンジェリーク ルトゥール』キャストインタビュー 優希比呂さんに聞く14歳のマルセルを演じるうえでのポイントとは?」をファミ通.comで読む(※画像などが全てある完全版です)

――アフレコを終えてのご感想をお願いします。


優希比呂さん(以下、優希) いちばんに思うのは、果てしなく緊張したということです(笑)。僕の年齢とマルセルの年齢はもちろん離れていきますが、僕の様々な経験が良くも悪くも、純粋で成長途中なマルセルとの感覚を引き離すので、そこを自然に埋めようとしました。僕の芝居の力量や技術の部分で、彼の足を引っ張ってはいけないと、殊更に思いました。

――20年ぶりにマルセルを演じて、何か変わったことや感じられたことはありますでしょうか。


優希 マルセルの純粋さや成長途中な部分を演技で維持することは難しいところがたくさんありました。ただ、「マルセルがどういう子なのか?」という部分はいまのほうがよくわかるような気がします。「このときのセリフはこういう気持ちで彼は言っていたのか」や「心の中で思っていることを隠しながら言っているのかな」など、いまになって理解できるところがあるような気がするんです。マルセルはとても喜怒哀楽の明快な子ではあるのですが、その中にも彼の生き方からくる複雑な気持ちの部分ですね。

――マルセルの魅力を教えてください。


優希 とてもかわいいですし、素直な喜怒哀楽を表に出して人と接していけるところが、彼の一番の魅力なんじゃないかなと思います。あと、このルックスですからね(笑)。あの表情で正論を言われたら・・ねぇ(笑)。ほかのキャラクターもそうなのですが、良い意味で世間離れをしている、逸脱しているというのも魅力的だと思います。

――ご自身とマルセルの共通点を教えてください。


優希 そこがいちばん考えるところなんですよ。マルセルは設定を見ても、人との接しかたを見ても、セリフを読んでも、"本当にいい子"だと思うので、僕としては学ぶところばかりなんです。だから、何とかしてマルセルとの共通点を作ろうとして来たと言うほうが正しいかもしれませんね。マルセルは作中ではリスク覚悟でケンカをしているところに飛び込んだりしていましたけど、僕は絶対にできませんから(笑)。僕はずっとマルセルとの共通点を探し続けて来たんだと思います。

――マルセルを演じるうえでのポイントを教えてください。


優希 恋愛をしていくプロセスも重要な"柱"なのですが、一見天真爛漫に思える彼の物語の中には"葛藤"があるんです。彼が抱えている悩みをリアルに演じることも重要だと考えています。

――マルセルをおすすめするとしたら、どんな女の子がいいですか。


優希 マイペースで、なかなか自分のことを表に出さない女の子におすすめしたいですね。いや、むしろマルセルのようなタイプが苦手な子にも選んでほしいです。マルセルは本当にいい子なので、時間をかけて接することができれば、きっと気に入ると思いますよ。

――本作ではキャラクターデザインが一新されましたが、ご覧になられた印象はいかがでしょうか。


優希 ファンタジー、異世界の人物であるという印象は変わらないのですが、より親近感が湧いた気がします。以前は"想像した世界へ飛び込む"という気持ちでドキドキしていたのですが、今回は目の前でこういう世界観を見せられてもすーっと違和感なく入っていけそうな、"実際に存在してもおかしくない"という印象を持ちました。

――優希さんが気になるキャラクターを教えてください。


優希 双子のキャラクターのジェラールとシルヴァンが気になります。年が13歳でこの格好っていうところが、とても際どく感じています(笑)。いまのところマルセルが具体的に絡むシーンはなかったので、どういう風にこのふたりがしゃべるのか、どのような役割があるのかということもとても気になります。後は、ブライアンも気になります。

――優希さんは、 "恋"と"使命"のどちらを選びますか。


優希 絶対に恋を取ると思います。最終的に使命を取ると孤独になってしまうのでイヤです(笑)。恋を取って、幸せな家庭を作って、さびしくないようにします・・あれ??? 答えになってませんね(笑)。

――20年前、初代『アンジェリーク』当時の思い出がありましたら教えてください。


優希 キャストして頂いた頃、僕はそれほど声優としてのお仕事をさせていただいてはいませんでした。そんな中『アンジェリーク』のマルセルの資料がファックスで送られてきたとき、僕はキャラが間違っているとびっくりしたんですよ。これは別の女優さんが演じるキャラだろうと思ったんです。まさか僕じゃないだろうと(笑)。ちゃんと確認すると間違いではなかったので、「えらいこっちゃ」と思いながら部屋の中で回り続けていた記憶があります(笑)。

――『アンジェリーク』シリーズ20周年を通して、さまざまなイベントに出演されていましたが、とくに思い出に残っているエピソードはありますか?


優希 いまでこそイベントは大きなものになっていますが、最初の『アンジェリーク』のイベントはすごく小さなイベントもありました。でも、それもお客様と身近に接することができて、とても楽しいものでしたね。また、そのころから『アンジェリーク』ファンの"熱さ"を感じていました。

――『アンジェリーク』ファンにとっては"聖地"と呼ばれるパシフィコ横浜でイベントをされたときは、どのようなお気持ちだったのでしょうか。


優希 当時、あれほど大きなイベントはあまり経験したことがありませんでしたし、お客様の中にもコスプレをしてくださる方がたくさんいらっしゃって、あのお客様の盛り上がりと興奮は僕の中では特別な出来事でした。また、イベントにはお母様とお子様で来られる方もいらっしゃっていて、そろそろ3世代に渡ってイベントに来られても不思議ではありませんね。本当に、ファンの皆様には感謝をしております。

――今回はリメイク作品と言うことで、新たな『アンジェリーク』ファンも増えてくると思います。今後、『アンジェリーク』シリーズで期待している展開があれば教えてください。


優希 マルセルのアルバム(キャラクターソング)がほしいです! ひとりひとりの守護聖ごとにアルバムを作るなんて凄い夢ですよ(笑)。

――読者とファンの方へ、ひと言メッセージをお願いいたします。


優希 ずっと応援をしてくださっている『アンジェリーク』ファンのみなさまにとって、『アンジェリーク ルトゥール』は"原点回帰"だと思います。新しく本作に触れる方にとっても、"真新しさ"と、言い過ぎかもしれませんけど"伝説"を感じられる内容になっています。キャラクター、ストーリー、僕たち声優の演技を、いろいろな世代の方々に、いっしょに楽しんでいただけるといいなと思っています。