bol.comでのアジャイルのスケールアップ

InfoQの主催するContainer Technology ClubによるCNUT非公開会議が,2015年6月16日,北京のBabbitt Internet-themed tea houseで開催され,Huawei, Alibaba, Tencent, Baidu, Mi, JD, Meituan, Qihu, Ctripを始めとする中国企業の技術リーダたちが参加した。今回のCNUT会議は,コンテナと分散アプリケーションの将来,クラウドコンピューティングの影響,コンテナの国内利用,CNUT会議の今後の運営方法などをテーマに開催されたもので,CNUT Container Technology Clubの意義や方向性についての合意という成果を得ることができた。CNUTは今後,コンテナ技術に関心を持つ国内企業の連携と,具体的なアクションを通じてコンテナ技術への中国企業の影響力向上を図ると同時に,中国におけるコンテナ技術の促進に努めていく。

この数年間で,コンテナ技術はさらに一般的なものになった。InfoQでもDockerやCoreOS, Mesos, Kubernetesなどの技術動向に注目を続けている。コンテナ技術をベースとするスタートアップ企業の数も,Dockerテクノロジの大規模運用に着手する企業の数も,ますます多くなった。このような背景から,InfoQ Chinaチームでは,コンテナ技術に興味を持つ技術系企業や個人の結び付きの場として,CNUT Container Technology Clubを立ち上げた。

CNUT Container Technology Clubは,中国におけるコンテナ開発とオープンソース技術の促進を目標とする,緩い技術組織である。CNUTはContainer Nutの頭文字だ。“Nut”は中国文化の頑強さと団結,打破を象徴するもので,CNUTの本来の意図とも一致している。

会議での議論の中から,多くの国内企業がコンテナ技術を利用している,あるいはその準備をしていることが分かった。Dockerコンテナを使用する一般的なシナリオは,継続的インテグレーションと企業のプライベートクラウドである。主流となっている技術スタックに含まれるのは,Docker, Mesos, Kubernetes, Yam, OpenStackなどだ。Docker以外のコンテナ技術も,BaiduやAlibaba, Tencentで長く使用されている。 また,MeituanやDianping, JDなどいくつかのニュービジネスでは,Dockerを導入して好結果を得ている。コンテナと分散アプリケーションが上昇傾向にある点については,全参加者の意見が一致した。コンテナと可視化のトレンドについて,HuaweiのテクニカルエキスパートであるWang Yang氏は,次のように述べている。

私たちが話題にしているのは,従来の仮想化技術と既存のコンテナ技術との関係についてです。従来型の仮想化技術が意図するのは,利用率の向上など,リソースの合理的な分散に関するものが中心でした。これに対してコンテナ技術は,よりアプリケーションを指向しています。この2つの技術は,将来的には二者択一ではなくなるでしょう。それぞれの技術の真の価値を認めた上で,2つを融合することが重要になります。インフラストラクチャリソースの分離には,今後も従来の仮想化技術が使い続けられるでしょう。ですがパッキングや分割の目的には,コンテナ技術が利用できます。

CNUTの今後の方向性についても,参加した専門家たちがそれぞれの見解を述べている。 MiのチーフアーキテクトであるCui Yubao氏は,中国技術の国際的な影響力が不十分であると主張する。InfoQは技術的な相互利益を目的に,CNUTを通じて国内の技術系企業を集結し,中国の技術コミュニティの構築,中国コミュニティの権利向上を目指していく。

コンテナ化は将来的な技術である。InfoQは今後も,中国のコンテナ技術の促進に努める。CNUT Container Technology Clubが,より実践的な成果を通じて中国の技術コミュニティに影響を与えるべく,さらに議論を深められることを願っている。