プロが教える本物の真珠の見分け方 | ニコニコニュース

プロが教える本物の真珠の見分け方
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女性にとって、パールのアクセサリーを使う機会は意外と多い。冠婚葬祭はもちろん、最近では普段のおしゃれに使用する人も増えている。婚約指輪を、パールにする人も少なからずいる。ただダイヤモンドやプラチナなど、ほかの宝石は素人目にも偽物だとわかることがあるが、真珠は本物と偽物の見分けがつきにくい宝石でもある。今回は7月11日の真珠記念日にちなみ、「教えて!goo」「本物の真珠のアクセサリーを持っている?本物と偽物を見分ける方法を知っている?」と聞いてみることにした。

■判断のポイントは見た目!でも、やっぱりわかりにくい

「見比べれば光沢の違いでわかるのかもしれませんが、鑑定書がないと、見分けがつかないかもしれません」(Junnecoさん)、「去年、20万もするのを買ったけど、見分け方を知らないから知りたいです」(GREENさん)、「鑑定書を信じるしかない……」(mr_poohさん)と、やはり見分けがつきにくく鑑定書が必要との意見が多かった。

プラスチックパールならまだしも、イミテーションパールになると本物との違いが全くわからないという人もいるだろう。もうお手上げ!ということで、今回は湖水真珠を製造・加工している「薬師真珠」の薬師広幸さんに本物とイミテーションの見分け方を教えていただいた。

■プロが教える真珠の見分け方はこの3つ

「まず見ていただきたいのが、穴の形状です。一般に模造真珠は製造過程の都合から穴口が大きく、『バリ』(突起、ささくれのようなもの)がある場合が多いです。本物の真珠は、穴径0.6ミリ~0.9ミリ程です」(薬師さん)

真珠をイアリングや指輪にとめるために開けてある穴がある。そこに「バリ」とよばれる突起物があるかどうか、まずは確認してみよう。それが明らかに1ミリ以上あれば、偽物の可能性が大だ。これなら、今すぐ確認できそうだ。

「つぎに『重さ』です。プラスティック製のイミテーションくらべて、貝真珠は非常に重いです」(薬師さん)

「重さ」もわかりやすいチェックポイントだ。本物の真珠に感じられる重みは、いわば生命の重み。貝の中で、核がじっくり形成された証拠なのだ。

「最後に『手触り』です。イミテーションパールは、全般的に表面のざらつき感はなくツルツルです。一方で本物の真珠は、表面が少しザラつています。大げさに言えばですが、本物の真珠は卵の殻のような感触です」(薬師さん)

天然の真珠は表面が少しざらつくとのこと。そのざらつきはイミテーションパールにはない。卵の殻をイメージして、ざらつきが感じられたら本物の可能性がある。ただ、この方法は真珠に触り慣れていないとわからないかもしれないと、薬師さんが教えてくれたので付け加えておこう。

「最近は、プロでも考え込むイミテーションもありますので、信用できるお店でお買い上げいただくのが一番確実です」(薬師さん)

専門家でも目を疑うほど、イミテーションパールの精度も年々上がっているそうだ。ほかにも本物の真珠の見分け方について巷ではまことしやかに囁かれているが、その信憑性についてさらに伺った。

■巷に流れる真珠に関する「ウワサ」を専門家に確認した!

「真珠を酢に入れると気砲ができる」という話を聞いたことがあるが、本当なのだろうか。

「酢も酸の一種ですので、カルシウムが主成分の真珠は酢に浸食されます。もちろん急激な変化は見られませんが、一定時間付け込んでおけば、気泡が発生する可能性はあります」(薬師さん)

理論的にはカルシウムが酢に溶けるということだが、この方法では宝石がダメージを受けてしまうので、実際に試すのは控えよう。

続いてもう一つ。「本物の真珠は、冷たい(イミテーションは気温に近く感じる)」というウワサ。これは本当だろうか。

「温度感には主観が入りますので、正しく表現できません。真珠の主成分はカルシウムなので特に外気温に対して涼しさを保持する能力はないです」(薬師さん)

温度の感じ方は主観によるものが多く、冷たいから偽物とは一概には言えないようだ。

真珠の日にちなんだ豆知識はいかがだっただろうか。自分の持っているパールが本物か気になる方は、まずはこの記事に書かれた手法で自力鑑定に挑戦してみるのもいいだろう。だがそれでも見分けがつかない場合は、やはりプロに鑑定してもらうのが一番である。くれぐれも酢には浸さないようにしよう!

●専門家プロフィール:薬師 広幸(やくし ひろゆき)


薬師真珠 取締役。
製造、加工した真珠を国内外の宝飾メーカーに卸している。厳しい基準をクリアし、世界で高く評価される湖水真珠を販売。クオリティの高さで、お客様に笑顔と安心を届けている。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)