トランスフォームヘッドフォンTHP-01レビュー:ネットレーベルとの相性抜群

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かっこいいが正義」と持論をくるっと反転させてしまいました。

音のことを考えたらパーツの数は減らして可動部も最小限にして...となるのですが、ワンダーフェスティバル2014冬でコイツを目の当たりにしたら。

ワンダーフェスティバル2014夏でも東亜重工モデルにキャーキャー言っていたら、7月の発売を前に量産直前機を貸してもらえることになったのでレビューしてみます。

※市販量産型とは細部・音のチューニングが異なるかもしれません。

THP-01とは?


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グッドスマイルカンパニーが発売するヘッドフォン。オーバーヘッド型のオンイヤーモデルで、ヘッドバンド・ハウジングアームを折りたたんでコンパクトに収納できるモデルです。

小さく畳めるモデルは他にもあります。でもTHP-01は、独自すぎる機構でもって折りたためます。


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ドライバーは40mm径のダイナミック型。再生周波数帯域は20Hz~20kHzで、出力音圧レベル:96dB。インピーダンスは30Ωです。スマートフォンでもドンツクドンツクを楽しめるボリュームは取れます。

デザイン


Cool! 最初の記事でGEEK JAPANというワードを使いましたが、まさにコレ。256(!?)ものパーツを組み合わせて作られた、デザインありきのデザイン。音質を追求した機能美型ヘッドフォンとはそもそも立ち位置が異なります。

じゃあ装着感などが蔑ろになれているかというとそうではありません。


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ヘッドバンド部は左右に大きく広がり、ハウジングも上下の調整幅が大きめ。またボールジョイントでしょうか。3D的支点軸でハウジングが支えられているので頭部および耳への追従力はかなりのもの。

イヤーパッドも低反発素材が使われており、フィット感は上々です。側圧もひかえめでコンフォート。メガネをしていても大丈夫です。

音質


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リンキンパークMr.hahnが音をキメたと聞いて、ドンツクドンツクくるモデルかなと思っていたらそうじゃなかった。昨今のハイレゾ対応ヘッドフォンと比べると高域の色彩は薄めでマットなトーンですが、量感とスピードを上手にバランスさせた低域が30Hz前後のベースラインの動きですらきっちりと捉えます

また中域の解像度もかなりのもの。ア・カペラを聞くと鳥肌がとまらなくなります。

アタックに対して敏感に反応しつつ他の音のリリースでその角を馴染ませていく。ウォーム感のあるトーンといえばそうですが、これはオーディエンスの詰まった、ライブハウスやClubのトーンに近いともいえます。

AK240と接続してハイレゾ音源を聴くと、中低域の解像度は十分に高い。ただ、どうしても高域成分の再現能力が追いつかないですね。クラシックにはキツイかな。

じゃあ20kHzまでという縛りでいろんな音源を聞いてみると、さすがMr.hahn。昨今の、Beatsブームが終わってからの、アコースティックな音も取り入れはじめたEDMとの相性がいいんです。ドラムとベースが音世界の8割を占めるなかでも、中域にあるメロディラインやバッキングの楽器音が存在感を放ってくる。

そしてオンラインアンダーグラウンドというシーンを作ったネットレーベルの曲とも合う! もともと320kbpsのMP3で提供されていることが多いカテゴリですが、マットな音同士が重なって、強いグルーブ感を醸しています。

秋葉原のMOGRAが好きな人なら、好きになるでしょうね、この音は。

良い点


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2015年現在における、PCでトラックが作られた、紡がれた曲の原音再生機。コンサートホールではなく、ほんとに地下で壁がコンクリなライブハウスやClubのトーンがあるんです。このカテゴリにおいてはトップクラスのサウンドの持ち主です。

また可変型というところにもグッときます。超合金というかプラモというかラジコンで遊んでいるかのうような感覚は、今までのヘッドフォンにはないものでした。グッドスマイルカンパニーという土壌だからこそGOサインが出たモデルでしょうね。

公開はされていませんがセミオープン型みたい。でも音漏れは控えめで、電車の中でも使えます。

悪い点


高い、ですね。スタンダードモデルで税抜4万5000円ですから。コストパフォーマンス勝負だと周回遅れ

音質で選ぶなら、2万円台で購入できるしジャンルを選ばないし周波数帯域も広いオーディオテクニカのATH-MSR7や、ソニーのMDR-1Aがいいです。絶対に。

買うべき?


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個人的にはアリ。左右にケーブルジャックがあり、それぞれ3.5mm3極のステレオケーブルが接続できる...すなわちバランスケーブルも作れるじゃないか!というところや、保証は無効となってしまうようですが、外装パーツを外して塗ったり削ったり盛ったりできるというカスタムの余地に惹かれましたし。

ただし、万人向けではないのも事実です。遊びゴコロな部分のコストを認められる人であれば、いい買い物ができるかも。

このプレイアブルなヘッドフォンが市場に受け入れられるかは本当に気になります。もしユーザーが増えるなら、音質追求型ではないモデルでも高い価値を示すことができるなら、腕時計のようにフォーマルにもカジュアルにもスポーティにも、各属性に特化したモデルでヘッドフォンビジネスができるという証になるかもしれないのですから。

7月15日、代官山UNITでローンチパーティ開催


出演者はメインフロアがMr,Hahn [LINKIN PARK]、Alvin Risk、kz [livetune]、Naohiro Yako [flapper3]、HIFANA、HIMURO YOSHITERU、TAKCOM、Hyper Juice、HEART BOMB。ラウンジフロアがSeiichi Saito [Rhizomatiks]、Hiromichi Ochiai [FACETASM]、Kosuke Kawamura、LEIK。GoogleのCM曲を手がけたkzさんもいますね。ゴージャスです。

場所は代官山徒歩2分のUNITで、7月15日の19時からパーティナイト。ご興味ある方はリンク先から詳細をご覧ください。


spource:TOON WORKSHOP

(武者良太)

長く続けるためにもマネタイズはとってもとってもとってもとっても重要です。 「こんなWebメディア作ってみたいな」 普段はギズモードの編集部員として働いている和保くん。ガジェットはもちろん好きですが、...
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