完全に健康な人でも「遺伝的な病気」を持っていることがある:研究結果 | ライフハッカー[日本版]

ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,  01:15 PM

完全に健康な人でも「遺伝的な病気」を持っていることがある:研究結果

完全に健康な人でも「遺伝的な病気」を持っていることがある:研究結果

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Popular Science:遺伝子解読がより安く一般的になるにつれ、科学者たちは遺伝子がどのように病気に関係するのか分析を続けてきました。これまでの研究では、生まれながらにして遺伝子に何らかの病気を持っているのは、人口のたった0.02%であることが指摘されています。しかし、National Institutes of Health(米国立健康研究所)の研究によると、人口の10%が病気に罹る恐れの高まる変異体を持ち、最終的に人口の3%にも相当する人に遺伝子の病気があるということです。どの変異が病気の原因になるのか、なぜ発病する人としない人がいるのか、ということを理解することで、病気にかかる人をひとりでも減らすことができるのです。

専門誌『American Journal of Human Genetics』で、先日発表された研究で、自己申告された症状だけでなく、血液検査、心臓検査から健康と考えられる人の中で1000人近いボランティアを募りました。家族の病歴も尋ねられ、染色体配列の分析をしました。参加者は全て45歳から65歳の年齢層だったので、遺伝的病気の兆候がもしあったとすれば、すでに顕著になっていたでしょう。

研究で、参加者の10%以上にあたる100人に、病気に罹る恐れを高める遺伝子の変異があることがわかりました。多くの場合、変異に関連する病気というのは、患者の家系にすでに表れているものですが、参加者にその認識はほとんどありませんでした。参加者の34人は遺伝的な病気に気づかずに生活していたのです。例えば、ある男性は難聴と関連する変異があり、聞き取りに全く問題はないと本人は言っていましたが、臨床検査では中程度から難度の聴覚障害という結果が示されました。

参加者の3%に病気に関連する変異がありましたが、発病はしていませんでした。ある患者には、知的能力を制限してしまうコフィン-サイリズ症候群の変異がありました。しかし、IQテストの結果は、平均的な人よりも知的であるというものでした。

研究者たちはこれらの結果に驚きましたが、今後の研究により、なぜ遺伝子変異に関連する病気を発病する人といない人がいるのかという謎の解明に取り組んでいます。


SOME PERFECTLY HEALTHY PEOPLE HAVE DISEASE LURKING IN THEIR DNA|Popular Science

Alexandra Ossola(訳:コニャック
Photo by Shutterstock.

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