ブロードウェイで舞台に上がって携帯充電する男現る

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携帯の電池が切れかけた男が、ブロードウェイの舞台に上がりこんで電源に携帯を差し込み、人類オワタと嘆かれています。

別の劇場では、携帯を片時も離さない聴衆に怒った舞台女優パティ・ルポン様が、携帯を奪って去り、拍手喝采の嵐。

最後の聖域ブロードウェイもだんだん携帯に毒されてまいりました…。

レ・ミゼラブルの「はいはいはい」男

眩いライト、舞台、ライブ。それが好きで1万円のチケット買ってくる観劇ファンですら、携帯なしでは2時間と生きれない。現代人はそこまで来てしまったようです。

先週火曜は自分も観劇に行ったんですが、オーケストラの音が大きくなる最後の最後まで携帯の電源切るように案内役の人がスピーカーでがなり立ててましたよ。「お客様、しまってください!」と怒鳴ったら、真っ暗な劇場で携帯光らせてた恥ずかしい男が「はいはいはい。はい、今しまうからねー」とこたえてました、大声で。「レ・ミゼラブル」のオープニングでこれですから。

晩御飯や飲み会で携帯から片時も目が離せない人がむかつくって話はにも書きました(他人事じゃないが)が、劇場でも最低限のエチケット守れない人がいるなんて行く末を考えてしまいますよね。 演劇は最古の伝統芸能のひとつだし、携帯オフにするなんて常識じゃないですか。人に言われないと切らないなんてことあってはならないはずなのに。

でも他の劇場の携帯マンに比べたら、これなんてまだジャン・バルジャンみたいな聖人君子に思えてしまいますよ。

大道具に携帯差し込む男


ブロードウェイの舞台に登って携帯充電したのは、ロングアイランド在住のNick Silvestri君です(19)。iPhone 6の電池が残り5%になったので、「Hand to God」が始まる直前に舞台にのぼって電源に携帯を差し込んだんです。まあ、電源は大道具なので、電気は回ってなかったんですがね。

Playbillが取材したら、当人はこう答えてました。

「電源が見えたんで、ダッシュしちゃったんだ」 「だって他になかったし。『別にいいじゃん?』てね。なんか差し込むのかなって思ったけど、僕の携帯があっても邪魔にならないと思った」

(電池切れて困ることでもあったの?)
「だって女の子たちから1日中電話かかってくるんだもん。どうしろっていうの?」


映像はYouTubeで70万再生回数を突破。SNSでも、いろんなコメントがついてますよ。

出演女優さんのツイート。呆れてる。


当人は何を勘違いしたのか、すっかり有名人気取りで「ファンとフォロワーのみんなにシャウトアウト! ここまでなれたのもみんなのおかげだよ、キスハグキスハグキスハグ」とタイポ混じりのツイをしてます。めでたい奴はどこまでも。

パティ・ルポン様、怒る

一方ブロードウェイのレジェンド、パティ・ルポン女史は「Shows for Days」に出演中、舞台そっちのけでテキスティングの手が止まらない2列目の女性客から携帯を取り上げて、悠然と演技を続けました(終演後に携帯は返却)。

去年もカメラを向ける聴衆に「あんた何様? 誰かこの無粋者をつまみ出して!」と一喝した伝説のパティ・ルポン。今回はこんな声明を発表しましたよ。

いくら舞台でがんばってひとつの世界を創りあげても、傲慢で自己中で礼儀知らずな観客が何人かいるだけで、その世界は台無しになってしまいます。彼らは携帯に支配されているの。いっときも手放せない。

途中で携帯が鳴ったり、暗がりでLEDの画面が光るだけで、みんなの迷惑になります。せっかく観にきてくれた人たちにも、ステージの俳優さんたちにも。

この問題は敗北感が強くて、これ以上舞台に立つ仕事を続けていいものかどうか本気で自問することもあるほどです。最近は衣装の上に武装して、観客と演技を先導している気分よ。


パティ・ルポンの言う通りだ、とマスコミとSNSの反応は好意的です。ちなみに事件のあった先週水曜は昼の舞台で携帯が4回鳴って、2回は同じ携帯でした。夜の舞台で、ついに切れてしまったようです。


source: Playbill

Kaila Hale-Stern - Gizmodo US[原文
(satomi)

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