グーグル、「忘れられる権利」の削除要求についての情報をうっかり公開

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忘れてほしいのにまさかの誤爆。

1年前にEUがオンライン上の「忘れられる権利」を認めてからというもの、グーグルはリンクの削除要求にせっせと対応しています。そんなグーグルが誤って削除要求について詳細情報を公開してしまいました。…しかし、その内容は思っていたより地味でした。

発見したのはイギリスのガーディアン。グーグルの透明性レポートに隠されていたソースコードから削除要求についての情報を発見しました。2014年5月下旬から2015年3月下旬までの期間にグーグルへ寄せられた削除要求は、21万8320件。そのうち、95%は単純に個人の私的な情報を守りたいという一般の人々からによるものでした。例えば、配偶者が亡くなったときのニュース記事から自分の名前を消してほしいというものだったり、住所を消してほしいという要求だったり。残りの5%が犯罪者や政治家、有名人からの要求だったそうです。

削除要求のうち、約半分が「私的もしくは個人情報」を根拠にして、個人名での検索結果から消去されているようです。一方、要求全体の1%にあたる「深刻な犯罪」や「有名人」、「政治」もしくは「子供の保護」に関係する問題では、削除されたものが20%前後で、あまり要求が認められていません(すべてグーグルの分類です)。ちなみに削除要求のうち、個人情報の削除を求める比率が一番高いのはフランスイタリアは個人情報の要求の比率が他のEUの国に比べて低く、深刻な犯罪に関する削除要求が目立って多かったようです…。詳しくはこちらのガーディアンの記事をどうぞ。

情報公開につながったソースコードはすでに更新されており、現在ではこれらの数字は消されています。グーグルはガーディアンに対し、この情報の存在は、透明性レポートで「削除要求を一番いい方法で分類するための試験の一部」と主張していて、公開するには信頼性が不十分なものと考えているよう。グーグルは引き続き、「忘れられる権利」の削除要求に対する透明性をどのように報告するかを検討していくそうです。


image by Ben Seidelman under Creative Commons license
source: Guardian

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文
(conejo)

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