100年も前から存在する掃除機の歴史って知ってる?

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これは歴史の証明だ。

その事件はわずか数時間前、そこからボクはちょっとだけ掃除が好きになった。今でも信じがたいが、不思議な出来事に遭遇し、掃除機の歴史を知ることとなったのだ。

ジメジメとした梅雨が開け、ようやく夏本番がやってきた。しかしボクはというと、長く続いた湿った日々のイメージが未だに抜けず、何をやってもしっくりとした感触が得られないでいた。せめて部屋だけでも綺麗にすればスッキリとするだろうか…。ボクはリビングにあったスティック型の掃除機、エルゴラピード・リチウムを手にして電源を入れた。

さぁ、掃除をはじめよう…。

重い体と心を引きずり起こすように、手元のスイッチオンにする。


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ああ、しかし最新の掃除機は優秀だ。

力を入れずともスイスイ進むし、充電式のコードレスなので面倒なコードの取り回しも要らない。また、見た目にも野暮ったくないのはすごくいい。すぐに手にできて、すぐに掃除ができるコンセプトは大正解ではないだろうか。

しかし、掃除機も進化したものだ。ボクが小さな頃はこんな便利な形ではなかった気がするし、もっとバカでかかった記憶がある。いや、ちょっとまてよ?

ボク「そういえば掃除機っていつからあったんだろう?」

そんな疑問を抱いた、その時…不思議なことが起こった!

――…さま……ご主人様。


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目の前のエルゴラピード・リチウムが語りかけてきたのだ。しかも流暢な日本語……。ってどうなっているんだOh my God!

――ご主人様は掃除機の歴史に興味がおありなのですね。わたくしめにお任せください。こう見えてもわたくし、この姿に至るまで100年の歴史を持ちあわせております。

オーケー、落ち着こう。掃除機はしゃべるものだ。…よし、100歩譲ってそういうことにしよう。ご主人と呼ばれたが、購入したのはボクなので主従関係も間違ってはいない。しかし、気になったのは口調よりもその内容だ。この掃除機にそんなに深い歴史があるのだろうか?

ボク「あ、あの…。100年ってマジですか?」

――ご主人は疑ってらっしゃる? よろしいでしょう……。


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――わたくしを生み出したエレクトロラックスの掃除機にかける100年の歴史をとくとご覧ください!

エルゴラピードに教えられる掃除機の歴史


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――それはタイタニック号が沈没した1912年のことでした。エレクトロラックスは世界初となる家庭用モデル掃除機『LUX1』を発売したのです。それまでの掃除機は重さ20キロで、据え置きに近いようなものでしたが、LUX1の重さは14キロ。なんとか持って移動できるようになったのです。


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ボク「いやいや、14キロってかなりの重さだよ! 確かに持って移動できなくもないけど…。でもまぁ、ノズルの種類はこの時から豊富だったんだね」


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――ご安心を。大躍進はすぐにやって来ます。1921年に登場した「モデルV」ではレールのような金属製の脚で引きずって移動できるように。それはまさしく世界初の可動式掃除機! 肩掛けや手持ちも可能となり、誰でも手軽に掃除ができるようになったのでございます。

ボク「なるほど、ポスターはやや誇張しすぎだけど、心まで軽くなりそうな良い表現かも。現代に置き換えると、ホウキの代わりに掃除機に乗る魔法少女的なイメージ?」

――魔法少女はさっぱりわかりませんが、このモデルVはちょっとした逸話がございます。当時家政婦文化であったスウェーデンでは、家政婦たちが失業するとデモまで起こったのです

ボク「……スウェーデンすごいな…」


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ボク「お、この写真はずいぶん現代の掃除機に近づいたじゃん。車輪もあるし、コードも巻取り式だし」

――Exactly(そのとおりでございます)。こちらの「Luxomatic Z90」は現代の掃除機の原型となるモデルで、1964年に登場しました。車輪付きでどこにでも気軽に移動でき、自動密閉式のダストパックを搭載、さらにダストパックが一杯になった時はインジケーターでお知らせする機能もございます。今では当たり前ですが、当時としては革新的なアイデアが盛り込まれていたのです。

ボク「ふむ…、言われてみれば確かに家庭に向けた改良だね。日々掃除する人の視点に立って、「掃除機はこうだったら便利だよね」って機能を追いかけているわけだね」

そして掃除機はスティック型へ。今のカタチに至ったそのワケは?


ボク「ところでエルゴロウさん。君のカタチとはまだ遠い気がするんだけど、縦長になったのは何年くらい前なの?」

――変な愛称を付けるのはいただけませんがお答えいたしましょう。掃除機は小型化や静音化など、さまざまな発展を見せていますが、いわゆるコードレス・スティック型の「エルゴラピード」シリーズの初代である「エルゴラピード 2 in 1」が登場したのは2004年のことでした。そのデザイン性と機能性が市場に大きなインパクトを与え、数々の賞にも輝いております。


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ボク「たしかに今から10年以上も前にこのカタチにたどり着いたのはすごいかもしれないな…。スラッっとしててデザインもいいし、女性ウケもよさそう。ところで当時から自立したの?」

――よい質問です。こちらの画像をご覧ください。これはエルゴラピードの2代目の機種と最新機種「エルゴラピード・リチウム」との比較です。


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左:エルゴラピード・リチウム 右:2代目エルゴラピード


ボク「おお、立って…いる?」

――いえ、立っていません。この当時は自立機構は無く、手を添えないと倒れてしまうんです。壁に立てかけておくというスタイルでした。

ボク「なるほど、ぱっと見ただけだと同じようなデザインだけど改良されているんだね。他にどんなところが変わったの?」

――細かな変更点は数えられないほどあります。わたくしのオススメのポイントというところで説明させていただきますと……。


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左:エルゴラピード・リチウム 右:2代目エルゴラピード


――ヘッド部は90度に近い角度まで曲がるようになっています。手の動きに追随して動くので、最小限の力でお掃除できます。また、年々軽くなっていて最新モデルの操作時の体感重量はわずか500グラム。女性でも負担にならずにお掃除できると好評です。


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――ヘッド部分も年々改良が進み、現在はこのようなカタチになりました。金属のフレームは鉛筆などの巻き込みを防ぐためのガードです。前方の山型の加工は「トライアングル・パワーノズル」。ただのデザインではなく、この形状にすることで空気の流れを増大し、吸引力の効率化を図っています。


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――近年のエルゴラピードにしかない特徴を自慢させてください。この「PRESS」ボタンは独自技術である「ブラシロールクリーン機能」です。スイッチを踏むだけでヘッドブラシへの髪の毛などのゴミのからまりをカットし吸引します。

ボク「このPRESSマークってそんな意味があったんだ。持ち主だけど知らなかったわ……


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――他にも、第3世代からは取り外しボタンが片手で操作できるようになったり、布団ノズルを含めた6種類のノズルを備えていたり、ステーションや本体にブラシノズルを収納できたり、暗い隙間でもお掃除しやすいようなLEDライトを搭載したりなど、スティック型というフォルムの変更は無いにせよ、モデルが更新されるたびにより便利に、より使いやすくアップデートされています。

ボク「こまかいなぁ。特にブラシノズル収納ってところ。でもこれも『すぐに取り出せたら便利だよね』という需要があったんだろうな。確かにそうじゃないと不便だし

――そうです。エレクトロラックスは100年間、使用者の立場に立って、使いやすさ、すなわち「お掃除という辛いものを快適に変えるには?」をひたすら追求してきました。そのためには重心を下に、取り外しを簡単に、小回りが聞くように、バッテリーが不自由なく持つように、そしてなによりゴミをたくさん吸うように考えてきたんです。


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――お掃除に向き合った100年の集大成。それが今、目の前にあるわたくしなのです。わかっていただけましたでしょうか!

ボク「な、なるほど、よくわかったよ。ところで今なん分くらい経った?

――まだ20分くらいです。わたくし『エルゴラピード・リチウム ZB3114AK』はターボパワー・リチウムイオン電池を採用していて、フル充電で約45分稼働できるので、あと25分もお話していられますよ! さぁご主人、続いては抱腹絶倒なスウェーデンジョークなどはいか……


(ぽち…っと)


ボクはそっと電源ボタンを押した。

バッテリーの残りはあと25分。それだけあれば家中掃除してもお釣りが来るだろう。ボクは再び床にヘッドを当て、大きく深呼吸の後に恐る恐る電源を入れた。

ウィィィィィン……。

掃除機はいつもと変わらぬ吸引音を出して動き始める。ちょっと小突いてみるも、やはり反応はない。しゃべりもしなければ勝手に動き始めることもない、普通の掃除機に戻っていた。


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やはりあれは夢。熱気に当てられた白昼夢だったのだろう…。

しかし、なんともまぁ歴史好き・家電好きには興味深い内容だ。この不思議な体験のおかげで無関心だった「掃除機」というものに興味が湧いてきた。そして、歴史とテクノロジーが詰まっていると考えたら、面倒なだけだったお掃除が少し好きになれたような…。

ウィィィィィン…!

心なしか、掃除機の声が大きくなった気がした。ボクの気持ちが伝わった?…なんてな。でもそういうことにしておこう。100年の歴史よ、ようこそ我が家へ。


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さぁ、掃除を続けよう!


source: エルゴラピード

(小暮ひさのり)