コンテナ技術は実用化へのキャズムを超えられるか

最近の調査によると,ITプロフェッショナルで実行環境としてコンテナを利用しているのは,わずか38%であることが分かった。コンテナ利用と採用に関する現状[pdf]を調査したClusterHQの結果でも,回答者の73%は,コンテナをVM環境で動作させている,と回答している。

ClusterHQのリサーチによれば,コンテナを実行環境で使用する上で,現時点で最大の障壁となっているのはセキュリティデータ管理である。その他に報告書が挙げている障壁としては,ネットワーク,ITプロフェッショナルのスキル,永続化ストレージ,信頼性などがある。

数ヶ月前,InfoWorld編集者のEric Knorr氏は,コンテナを実運用環境に導入する時の困難さについての記事を書いた。氏は,Dockerの登場以降に現れた,このテクノロジに関する重要な開発をまとめあげた上で,その記事の要約として,“実運用の場面でコンテナがVMに取って代わるには,まだしばらく時間がかるだろう”と述べている。

JoyentのCTOであるBryan Cantrill氏は,VMをベースとしてコンテナを使用するのは,コンテナのパフォーマンスを損なうものだと考えている。

OSの仮想化は次のステップの機能ですから,まさに愚の骨頂です。何の役にも立たない,こんな脂肪層は取り払うべきです。

Knorr氏の結論はこうだ。

コンテナのセキュリティには強化が必要です。コンテナの管理とオーケストレーションは,今日のKubernetesMesos, Swarm以上のものにする必要があるでしょう。加えて,新世代のOPSの人たちには,この新しいインフラストラクチャを大きな規模で管理する方法について,理解することが求められます。
従来の仮想インフラストラクチャには潜在的価値がまだたくさんありますし,Dockerはまだ2年しか経っていません。この革新は他に類を見ないほどの速さで,その存在を証明していますが,企業の技術は一朝一夕で変わるものではないのです。