グッバイ・マイ・ボディ。東大制作展で新しい身体に出会ってきたよ

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身体にさようなら...? ちょっと心がざわつくこのフレーズ。

東京大学の情報学環・学際情報学府の学生たちが主体となって開催された東京大学制作展 EXTRA 2015のテーマなんです。ウェブサイトではこんなふうに説明されていました。

これから訪れる身体のあり方に向き合うためにも「お別れ会」という形をつうじて一度身体について考えてみるのはどうであろうか。身体がどこかへいってしまう前に、一度身体とのお別れ会をしようではないか。


テクノロジーの進化にともなって急速に「身体」の定義が変わりつづける今日このごろ。日頃あたりまえに動かしている「身体」について、疑問を投げかけてくるような作品たちが集まっていましたよ。


◼︎「Eye See」 片山 健


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なんだか可愛いカメラ。目をあわせようとすると、目をそらすように作られています。基本的にはふつうの監視カメラと変わらない。けれども、目のようにするだけで急に人間っぽく思えてしまう。「人間っぽい」と「人間っぽくない」なんていうのは、ほんの少しの違いなのかもしれないと思わされます。


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しばらく遊んでいると、家にもってかえりたくなりました。かわいい。


◼︎「Sight」 伏見 遼平


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先日インタビューしてきた「Sight」も展示されていました。景色の変化を音で聴くことが可能なこのデバイス。新たな感覚を手にいれることにより、人間の「脳」の機能や知覚を変えてしまう可能性を持っています。


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試してみると予想していたよりも自然かつ心地よい音が聞こえてきました。これなら着けたまま生活してられそう。


◼︎「a Piece of」 池田 昂平

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地球儀と穴の空いた箱。ぱっと見なにかわかりませんが、手を入れてみると納得。手のしわと地形データを照らしあわせて、自分の手と同じ地形を探してきてくれるんです。


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聞いたこともない地域が表示されても、なんだか愛着が湧いてしまうから不思議です。


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◼︎「BUG HUG」 福嶋 昭彦


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虫のようにざらざらの側面にくっつくことのできるドローン「BUG HUG」です。写真の通り、見た目も虫っぽいです。


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◼︎「涙眼鏡」 吉田 成朗


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「涙眼鏡」と名づけられた作品。その名のとおり眼鏡から水が流れてきて、泣いている状態を擬似体験できます。


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作者が問いかける、「悲しいから泣く」のか「泣くから悲しい」のかという疑問。こういう感情と身体の関係は考えれば考えるほど、不思議な気持ちになります。口角を上げると気分がよくなる、みたいな話もありますよね。


◼︎「内側へ;内側から」 増田 拓哉


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白い箱の内側に入ると、奇妙なのにどこか美しい突起が動めいています。自分自身が体内で消化されてるような体験をできる展示。身体のなかでいつも起こっていることなのに、すごく新しい体験に思えました。


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身体とグッバイすることは、あたりまえだと思っている身体の定義とか概念を思いきって捨ててみることなのかもしれません。どんどん生みだされている新しい技術やアイディアが、そういった機会をこれからも届けてくれるに違いない。そんな期待がむくむくと湧いてきました。


source: 東京大学 情報学環・学際情報学府

(Haruka Mukai)

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