1万4000年前の虫歯を発見。治療は尖った石器でした

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歯医者。

って聞いただけで汗が出てきますよね。テクノロジーが発達した現代ですら痛くて怖いんですから、1万4000年前の虫歯治療なんて想像できないですよね。
あ、想像できなくていいです。というのもつい最近発見された1万4000年前の歯に虫歯治療の形跡が発見され、その研究結果が発表されたんです。これは人類の歴史で残されている一番古い虫歯治療の例となるとのこと。

科学誌Scientific Reportsに発表された研究によると、この歯は北イタリアで14000年ほど前、後期旧石器時代に死んだ25歳の男性のもの。洞窟の絵画や岩石を使ったアートなどが造られていた時代ですね。

この時代はちょうど、虫歯治療においても転換期だったと考えられています。これより前の時代は、おそらくツマヨウジのような道具を使って虫歯をほじほじしていた程度だったんです。でもこの時代頃から、鋭く尖らせた石器を使って(ぎゃぁぁぁ)より削り取る形の虫歯治療に移っていったようです。研究によると、鋭い岩石を使って「削ったり、てこの様に使ったり」して感染した部位を取り除いたそうです....

たぶん皆さんトップ画像を見てられなくてすぐに下スクロールしちゃったと思うんですが、それでもこれが画期的な発見であることに間違いはありません。研究では、走査型電子顕微鏡という長い名前の顕微鏡を使って歯のエナメルの拡大された画像を撮影しています。木や骨など様々な素材をテストして、治療に使われた道具が尖った石器であったと特定したそうです。


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麻酔なしで、尖った石器で虫歯を削られることを考えたら私たちなんて甘やかされてるんだろうって思わざるを得ないですね。ありがとう現代文明。いやー、これで皆さんのお子さんが次に歯医者に行くのを嫌がって泣き出した時に説得する方法が増えましたね。

あのね、1万4000年前のこと考えなさい。って。


source: Scientific Reports via Atlas Obscura

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文
(塚本 紺)