タブレットが売れないのは飽きたから? : GEEK速報 - ギー速

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2010年にiPadが登場した時は、これがコンピューターの未来の姿だと確信して熱狂しましたが、

時とともにその活躍の場所を狭めているようです。事実、IDCジャパンの調査によると、

タブレット購入者の47%は「購入前に想定したよりも利用できていない」と感じているという調査結果が出ています。

実はこのように、瞬間的な熱狂を生んだ端末が衰退していく流れは、過去に何度も繰り返されています。

タブレットは、古くからあるジャンルです。1987年に、GO Corporationがスタイラスペンを使って操作する

独自OS「PenPoint OS」を開発したのがはじめてで、これがタブレットの第1世代です。

GO社はマイクロソフトのWindows for Pen Computingとの競争に敗れて、1994年に廃業することになりますが、

この時も皆が熱狂してペン操作のコンピューターが数多く登場しました。

第1世代の終わりと同時に第2世代が動き出します。1993年にAppleがNewton Message Padをリリースします。

これは、今日のiOSを搭載したiPadとは全く異なるものですが、小型スクリーンを搭載して片手で持って

操作できる端末でした。ジェスチャーを使う操作が登場したのもこの頃です。そのNewtonも1998年には開発を中止して市場から消えることになります。

続く第3世代は、Palm Pilotに代表されるように、手のひらサイズの小型コンピューターが主流で、ITバブルが崩壊する2000年ごろまで続きました。

いずれの世代でも瞬間的な盛り上がりを見せましたが、これが定着することはなく次第に熱が冷めて衰退していきます。

第4世代目を担うiPadは、登場から5年が経ち、当初の熱も冷めはじめています。

これまでの事例と比較すると大成功と言えるiPadですが、先人達と同じ道を辿ることになるのでしょうか。

タブレットとはなにか?を考える

タブレットの源流は、1990年代はじめに特定用途向けとして開発されたペン操作のコンピューターです。

現在主流になっているタブレットも、さまざまな試みや用途が提案されているので万能選手のように考えられがちですが、

実際にシビアに考えると用途を選んでしまうことに変わりありません。

タブレットに満足していないと感じている方は、ノートPCの代替を求めた方も多いはずです

これと比較して、いま一度タブレットとはどういったものか見ていきます。

操作にペンや指を使うのは、1990年初頭から変わりありません。しかし、指を軽く滑らせるだけで操作できる

「静電式タッチパネル」の特徴を活かした「タッチ操作(ピンチイン・アウトやフリックなど)」が、タブレットをこれまでとは違うものにしました。

タッチ操作は画面に表示されるものを直接触れて操作します。ノートPCなどで使うマウス操作は、

画面上のカーソルが指の代わりになり、これを移動して何かの上に重ね合わせてから操作します。

たとえばスクロールならば、タッチ操作は指で移動したい方向へ滑らすことで操作できますが、

マウス操作はスクロールバーのつまみを上下に動かしたり、マウスのホイールを回して操作するので、タッチ操作と比較すると直感的ではありません。

画面に表示されるものに直接触れて、日常生活の中で使う仕草で操作できる「タッチ操作」は、

機械を「操作する」という感覚ではなく、文房具などを「使う」に近い感覚です。

これのお陰で、コンピューターをより身近な存在に変化させました。ソファーに寝転んだり、

ベッドでゴロゴロしながら使うことも当たり前になり、コンピューターが特別な物ではなく日用品と同じ存在になりました。

真のパーソナルコンピューター

日頃からタブレットを活用されている方は当たり前のように感じているかもしれませんが、ウェブや写真閲覧、

電子書籍を読む、映画を観るなどタブレットに適した用途であれば、楽しみ方の質はノートPCを上回り、

多くの人達がデジタルコンテンツを楽しめる門戸を開きました。

また肩肘を張らず、大勢で画面を覗き込みながらそれぞれが操作するなど、使う場所や使い方を強要せず、

各々のスタイルで楽しんで使えるのはノートPCとは大きな違いです。

コンピューターは何でもできる万能な道具と考えてしまいますが、どんな物にも得手・不得手があります。

タブレットの不得手な部分だけを見るのではなく、いま一度どういったものだったのか、そしてノートPCとは異なるものと捉えて見直し、

活用してみてはいかがでしょうか。