「沖ノ鳥島」挙げ日本に反論=南シナ海埋め立てで中国外相 | ニコニコニュース

 【クアラルンプール時事】クアラルンプールで6日開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議で、中国の王毅外相が、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島での岩礁埋め立てを批判する日本代表に対し、日本最南端の沖ノ鳥島で日本政府が進める港湾施設整備を取り上げて反論していたことが分かった。中国外務省が発表した。

 王外相は、岩礁埋め立てについて「合法的権利はない」などと指摘した日本側に対して「まず日本が何を行ったか見るべきだ」と反論。「日本は100億円を投じて沖ノ鳥島に人工島を造成し、その後、国連に対して沖ノ鳥島を中心に200カイリの排他的経済水域(EEZ)設定を要求したが、国連の多くのメンバーは日本の主張を理解できず、受け入れていない」と主張した。

 日本政府は、中国の海洋進出に対抗するため沖ノ鳥島を安全保障上の要衝と位置付け重視している。国連の大陸棚限界委員会は2012年、沖ノ鳥島の北方などの海域を日本の大陸棚として認める勧告を採択したが、中国政府は04年ごろから「沖ノ鳥島は『島』ではなく『岩』だ」として、EEZや大陸棚を認めないと強調している。

 王外相は南シナ海諸島に関して「中国が発見・命名して2000年の歴史がある」とした上で「70年前に中国はカイロ、ポツダム両宣言に基づき、日本に違法に占領された南沙、西沙(英語名パラセル)両諸島を法に基づき奪い返し、主権を回復した」と訴えた。

 王外相はこのほか、南シナ海での(1)埋め立て(2)建設(3)挑発的行動の「三つの中止」を提案したケリー米国務長官に対し、「停止の内容や基準は何か、各国で主張が違い、実行可能性に乏しい」と一蹴。中国との領有権争いを仲裁裁判所に持ち込んだフィリピンに関して「中国のイメージを悪くするものだ」と反発し、直接交渉で解決すべきだと主張した。