任期満了に伴う埼玉県知事選は9日投開票され、民主党県連が支援する無所属現職の上田清司氏(67)が、自民党県連が推す元総務省消防庁審議官の塚田桂祐氏(58)、県労働組合連合会議長の柴田泰彦氏(62)=共産推薦=ら無所属4新人を破り、4選を果たした。上田氏が自らの任期を連続3期までとする多選自粛条例を翻して出馬した是非が争点となったが、「条例破り」との批判を退けた。

 投票率は26.63%で、全国の知事選で最低を記録した前回(24.89%)をわずかに上回った。

 上田氏は、不登校生の減少や経済活性化などを3期12年の実績として強調。高齢者の急増を見据え、医療・介護サービスの拡充を訴えた。維新の党が支持したほか、多くの市町村長、団体からも支援を受けた。

 塚田氏は、多選自粛条例に反して出馬した上田氏を「条例破り」と非難。県政刷新を主張したものの、知名度不足が響き及ばなかった。柴田氏は、参院で審議中の安全保障関連法案反対を前面に打ち出し、安倍政権に対する批判票の取り込みを図ったが、浸透しなかった。