70年談話「侵略」盛り込み=公明要求に配慮も

 安倍晋三首相は10日、戦後70年談話に「侵略」の記述を盛り込む方針を固めた。「侵略」は戦後50年の村山富市首相談話などに明記されたキーワードの一つ。「侵略」などの文言を重視している公明党に配慮したとみられる。政府関係者が明らかにした。

 戦後70年談話に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」(座長・西室泰三日本郵政社長)も、6日に公表した報告書で、先の大戦について「満州事変以降、大陸への侵略を拡大」と記述。ただ、複数の委員から、報告書への明記には異議が上がったことも紹介していた。一方、公明党は村山談話などの考え方を踏襲するよう求めていた。

 談話では、先の大戦における日本による「侵略」に限定したものではなく、国際社会で「侵略」は認められないとの文脈で記述することが検討されている。