大量発生して人に嫌われがちな外来種のヤスデが、心臓病の治療薬や農薬を合成するのに必要な酵素を体内に持っていることを富山県立大のチームが見つけ、10日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 このヤスデは、台湾から植物に付いて九州や沖縄に上陸し、本州にも生息域を広げる「ヤンバルトサカヤスデ」。体長約3センチで足は約100本、敵から身を守る際に青酸ガスを放出する。チームは青酸をつくる酵素が体内にあると考え、研究を始めた。

 九州地方の杉林を訪れ、重さ30キログラム分のヤスデを集め、すりつぶした。この液体から有用な酵素「ヒドロキシニトリルリアーゼ」を抽出した。

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