沖縄本島の沖合で12日、米陸軍ヘリコプターが墜落した。在日米軍基地の7割が集中する沖縄。「またか」。住民への被害はなかったとはいえ、過去繰り返された事故への記憶は今もなお生々しく、住民らの不安は拭えない。

 うるま市では米占領下の1959年、宮森小学校に米軍ジェット戦闘機が墜落し、児童11人を含む住民17人が巻き添えとなって死亡した。

 事故を語り継ぐNPO法人「石川・宮森630会」会長久高政治さん(67)は「『またか』と思う」。久高さんは当時小学5年生。「運動場にいたが、ものすごい爆音がして周りが炎で真っ赤に染まった。びっくりして一目散に家に逃げ帰った」。小学2年生のめいも犠牲となり、自身も体中にやけどを負ったという。

 久高さんは「状況は56年前の事故から変わらない。今回、頭上に落ちなかったのは不幸中の幸い。ヘリの性能は向上しているというが、人が関わるものなので事故はいつでも起こり得る」と指摘した。