高速道路の渋滞、なんでいつも同じ場所で発生? 気付かず減速「サグ部」の存在 | ニコニコニュース

渋滞する中央自動車道=山梨県(一部加工しています)
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 帰省や行楽地に向かうラッシュがピークを迎え、高速道路の交通渋滞が激しくなっています。車を運転していると、同じ地点で渋滞につかまることが多いように感じますが、なぜでしょう。

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今年のお盆期間、30キロ以上の渋滞は28回
 高速道路各社が発表した8月16日までのお盆期間の渋滞予測によると、10キロ以上の渋滞は419回(前年437回)、うち30キロ以上は28回(同27回)。全国の主な高速道路では、軒並み例年並みの渋滞が予測されています。

ポイントは「サグ部」
 全国の高速道路で発生する渋滞の約6割が、緩やかな上り坂にさしかかる「サグ部」という部分で発生しています。
 サグ部では、ドライバーが上り坂になったことに気づかず、自然に車の速度が低下します。後続車は車間をとるために次々と減速して、渋滞が発生してしまうのです。

全国に140カ所
 サグ部は全国の高速道路におよそ140カ所あります。関東地方では、東名高速道路下り線の大和バス停や綾瀬バス停付近(いずれも神奈川県)、中央自動車道上り線の小仏トンネル付近(東京と神奈川の都県境)、関越自動車道上下線の花園インターチェンジ付近(埼玉県)など。いずれも渋滞の「名所」として知られる地点です。

渋滞対策、あの手この手
 国交省や高速道路各社ではさまざまな対策を進めています。道路整備に加え、サグ部に速度回復を促す掲示板を設置したり、高度道路交通システム(ITS)を用いた渋滞回避を模索したりしています。

 また、我々ドライバーにもできることがあります。渋滞情報をチェックして、ピークをずらして利用することや、車間距離を守って急な割り込みによるブレーキを避けることも渋滞軽減につながります。


抜本対策には長い時間
 中央道の小仏トンネル(東京都―神奈川県間)では、上り線に新しいトンネルを掘り、1車線を付加する事業が動き出しました。国交省によると、この区間は現在2車線で、上り坂になっていることなどから年100回以上の渋滞が発生。完成すれば、大幅な渋滞緩和が期待できるということです。

 ただし、本線と接続する区間を含めた総事業費は約300億円。設計や用地買収はこれからで、完成までには10年近くかかるということです。