みんな、3Dプリンターで作ったストラディバリウスの音色を聴いてくれ


音まで作れるよ、3Dプリンター。

3Dプリントの技術はますます上がるばかりで、物体ひとつひとつの細かい部分まで完璧に仕上げられるほどになっています。3Dプリンターさえあれば今まで複雑すぎて作れなかった物でもパパッと簡単にできてしまうなんて、製造業者からすればたまったものではありません。でもその一方で、意外な分野の人々が得をするようになるかもしれないんです。

その人たちとは、音楽家。高くてとてもじゃないけど手が届かない、例えばストラディバリウスのバイオリンのコピーだって3Dプリンターで作れば、本物よりずっと安く買えるようになるかもしれない。ただし、木製ではなくプラスチック製ですが。

最近、3D Variusという会社がついに世界初の3Dプリンターで作った電子バイオリンを完成させました。それってどうなの? 社名思い切ってんな、などなど様々な意見があるかとは思いますが、それはいったん置いといて…。恥ずかしながら音楽の才能にそれほど恵まれなかった凡人のわたくしとしては、その世界初の音色は本物と比べても遜色ないように感じました。


おそらく、熟練のバイオリニストの方々からすれば、この3Dプリント版バイオリンの音色はストラディバリウスどころか、安い木製のバイオリンにも及ばないのかもしれません。だがしかし、ミュージシャンのLaurent Bernadacさんの手にかかった3Dプリント版バイオリンの音はとても力強くて、思わず聞き入ってしまうのも確かです。


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この3Dプリント版バイオリンはできるかぎり軽量にデザインされていて、ミュージシャンの手にぴったりフィットするだけでなく、奏でられた音も美しく響きます。また、見た目がちょっと変わっていてもれっきとしたバイオリンなので、ちゃんと毎回チューニングのために弦を調整して、常にピンと張った状態を保つ必要があり、その辺は本物と変わりません。

ちなみにまだ試作品の段階で、3D Variusも販売の準備までは整っていないようなので、今のところこのバイオリンがいくらで売られるのかは残念ながらわからない状態。

でも、3Dプリント用のデザインは出来上がっているわけだし、設計図をダウンロードして自宅でストラディバリウスを3Dプリント、なんて日はそう遠くないかもしれないですよ。ただ音楽の才能はセットに含まれませんので、あしからず。


source: 3D Varius via designboom

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文
(SHIORI)