米大使館で星条旗掲揚=70年ぶりキューバ訪問―人権改善も要求・国務長官 | ニコニコニュース

 【ハバナ時事】ケリー米国務長官は14日、7月に国交回復したキューバの首都ハバナを訪問し、米大使館の再開式典に出席した。米国務長官のキューバ訪問は1945年以来、70年ぶり。式典では米星条旗が61年の断交後、キューバで初めて掲揚された。両国は新たな関係構築に向けて歴史的瞬間を迎えた。

 ケリー長官は式典でのあいさつで「キューバ政府に国際人権規約上の義務履行を促し続ける」と強調。さらに「キューバの人々にとって本物の民主主義が最良だと確信している」と明言した。一方で米議会に対し、対キューバ経済制裁の全面解除を重ねて求めた。

 54年ぶりとなる大使館での星条旗掲揚では、断交の際に国旗を降ろした海兵隊退役軍人3人も見守った。

 式典には米国側から国交回復交渉団のトップだったジェイコブソン国務次官補(西半球担当)のほか、財務省や商務省の高官らも出席。キューバ系米国人詩人による詩の朗読、両国の国歌吹奏が行われた。

 半世紀にわたり対立した米国とキューバは2014年12月に国交正常化交渉方針を発表。複数回の高官協議を経て7月20日に国交を回復した。米政府は外交窓口の利益代表部を大使館に格上げする一方、国旗掲揚は再開式典まで先送りしていた。