中国「ロボット産業」、方向性間違ってないか?=中国メディア | ニコニコニュース

サーチナ

 中国メディアの界面は5日、中国が製造業の高度化に向けた戦略「中国製造2025」を発表したことでロボット産業が中国でも大きな注目を集めていることを指摘する一方、中国のロボット産業界からは「向かうべき方向性が間違っているのではないか」と疑問を投げかける声があがっていると報じた。

 記事は、亜洲製造業協会の羅軍首席執行官の見解として、中国は今後30年間にわたって産業用ロボットの市場として世界一の座を保ち続ける見込みだと伝え、2014年は5万6000台の産業用ロボットが中国で導入されたと紹介。

 さらに、2015年は8万台、2025年には25万台に達する見込みだとする一方、「世界のロボット産業における中国の影響力は皆無」だと指摘し、ロボット産業における中国の革新能力は日本や米国、ドイツなどに大きく遅れを取っていると指摘。また、羅軍首席執行官が「ロボット産業を発展させる取り組みにおいては、中国は目指すべき方向性すら間違っている恐れがある」と指摘したことを伝えた。

 続けて、中国では導入されるロボットの大半が国外メーカーの製品であることを指摘しつつ、ロボットを導入した企業には行政から補助金が出ることを紹介。一方で、日本企業のファナックと安川電機、さらにスイスのABB、ドイツのクーカの4社が世界最大の産業用ロボット市場である中国において50%以上のシェアを獲得していると指摘、「ロボット導入によって製造業の高度化は進むが、世界最大の市場を国外メーカーに奪われてしまうことになる」と論じた。

 また記事は、中国ではロボット産業を発展させるために積極的な外資の導入を行っているとしながらも、「外資の導入は中国のロボットメーカーの生存空間を縮小させることにつながる」とし、外資に依存せずに自ら研究開発や革新を行うことが必要だと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)kevinxp/123RF.COM)