『まどマギ』の衝撃再び!? “萌え”に隠された驚きの展開『がっこうぐらし』の魅力 | ニコニコニュース

『がっこうぐらし!』現在好評放送中(C)Nitroplus/海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会
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 個性的なタイトルが並ぶ、夏クールの深夜アニメの中でも、いま最も熱い注目を集めているのが『がっこうぐらし!』だ。キュートな絵柄にほのぼのとした“日常系”アニメなのかと思いきや、中身はなんと女子高生たちのウルトラダークなサバイバルホラー。衝撃の第1話からオンエアを重ねるたびに、ネットの口コミで評判を高めている『がっこうぐらし!』とはどのような作品なのか?

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 本作は、『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)に連載中の同名コミック(原作:海法紀光/作画:千葉サドル)のアニメ化作品。キャラクターの絵柄から受ける印象は、かわいい女子高生たちがほのぼのユルユルとした学園生活を送る、いわゆる“日常系”の萌えアニメだ。

 公式サイトのストーリー紹介を読んでも、4人の先輩後輩の女子高生たちが結成した「学校に寝泊まりする“学園生活部”」の話であることしか提示されていなかったため、原作を知っているファン以外からは、衝撃作であることはほぼノーマークのままオンエアとなった。

 だが、本作の評価は、第1話終了後に急上昇。その理由…このアニメは女子高生たちの日常を描いてはいるものの、彼女たちを取り巻く日常が“街の人々すべてゾンビと化した”世界であったため。生き残りは彼女たちだけなので、学校内でゾンビから身を守りながら暮し続けるしかなかった…という、死と隣り合わせの恐怖のサバイバルホラーだと、第1話のラストで発覚したからだ。

 それもそのはず、原作者でありアニメ版のシリーズ構成も手がけている海法紀光は、『魔法少女まどか☆マギカ』の“鬱展開”なシナリオでも有名な虚淵玄が所属するニトロプラスに深く関わりのある作家。虚淵と共同脚本を書いた実績もある。一見、明るい作品に見せかけて、実は…という意外性と“深み”の表現が、この『がっこうぐらし!』にも発揮されている。

 ネットの声も、そんな『がっこうぐらし!』の大きな裏切り(?)に対して、うなぎのぼりに熱を増している。第1話が無料配信されている「ニコニコチャンネル」のコメントも「ラスト3分が無ければツマラン日常系と切ってたわ」「このアニメ舐めてたwやばいw」というが声多数。

 話数が続くにつれ、徐々に主人公たちの境遇が明らかになってはいくが、表向きはほのぼのアニメを装っているので、あえてミスリードを誘う演出やシビアな状況を匂わせる伏線が散りばめられている。

 「2、3話目を見てからまた1話見ると意味が分かる」や「分かってて見るとつらい」、「萌えの文法をうまく使って見事に叙述トリックやってる」という視聴者の感想も非常に肯ける。また、第4話オンエア後に「アニメは原作との変更点、相違点もかなり多い」という噂がネット上で囁かれた本作。原作ファンにも未読のファンにも、今後の展開がますます楽しみだ。(文:阿部美香)