サザン、22年ぶり武道館で過去最大規模のツアー完走「また会いましょう!」 | ニコニコニュース

22年ぶりの日本武道館公演を行ったサザンオールスターズ
オリコン

 ロックバンド・サザンオールスターズが18日、22年ぶりとなる日本武道館2daysライブの2日目公演を行った。合計50万人を動員した過去最大規模の全国ツアー『サザンオールスターズLIVE TOUR 2015「おいしい葡萄の旅」』の集大成ということもあって、ボーカルの桑田佳祐はのっけから「アリーナ~!! スタンド~!!」とハイテンションで呼びかけ、「遊んでる場合じゃないですよ(笑)」と照れる一幕も。約4時間にも及ぶ怒涛のステージを繰り広げ、「またサザンオールスターズのツアーをぜひ。還暦になっちゃいますからね、もう。また会いましょうね!」とファンに誓った。

サザンオールスターズ、9年半ぶりの東京ドーム初日公演レポ

 冒頭、スクリーンに“大きく育った『葡萄』をみんなで喜び味わう旅 さあ、いよいよ収穫祭のはじまりです”と映し出され、メンバーが登場すると、開演を待ちわびていた約1万2000人のファンからは会場を揺るがすほどの大歓声。「Tarako」でスタートしたステージは、「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」、「ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~」と、初っ端から人気曲が続く。

 実はこの日のライブは約4ヶ月の全国ツアーの最終日ということに加えて、22年ぶりの武道館公演ということもあって、入手困難な超プレミアチケットに。1人1枚の購入制限が設けられており、桑田が「みなさん、お一人様なんでしょ?大丈夫?」と気遣っていた通り、基本的には全ての客同士が“初対面”という公演。しかし、開始当初からそんなことを感じさせないほどの盛り上がりで、桑田も「周りを軽く見渡して、目が合ったら会釈して、どうも~みたいのがあるといいんですけどね」と笑わせていた。

 前半はニューアルバム『葡萄』の楽曲を中心に構成。「イヤな事だらけの世の中で」で大人が共感せずにいられない哀愁漂う世界観を表現したかと思えば、ロック色の強い「Missing Persons」ではギタープレイを前面に出したステージで魅せる。スクリーンに映し出された夏の風景も印象的だった「平和の鐘が鳴る」では、曲中に自然と拍手が起こる場面も。「ワイングラスに消えた恋」では桑田の「マダムゆうこりん!」の呼び込みとともに原由子が前に出て美声&ダンスを披露するなど、バラエティ豊かなステージが続く。

 中盤のMCでは、桑田が「みんなそうだと思うけど、デビューしてから武道館でライブするのが夢だった。(理由の)ひとつは今から49年前、僕が小5のときですけど、ザ・ビートルズの来日公演です」と明かし、何とザ・ビートルズ風にメンバーを紹介。来日公演で司会を務めたE.H.エリック風に桑田がフリをすると、「サザンのリンゴ・スター、松田弘です」、「こんばんは、みなさんご存知だと思いますが、私がポール・マッカートニーです。ここで一句、『武道館 あたしのギャグで 清涼感』。関口和之です」、「ジョン・レノンの恋人の小野妹子です(笑)」(原由子)、「みなさんこんばんは。あたしがジョン・レノンです」(野沢秀行)と小ネタを交えつつ次々に自己紹介。さらに全員で名曲「HELP!」を演奏し会場を沸かせた。

 その後は「栞(しおり)のテーマ」、「あなただけを~Summer Heartbreak~」、「真夏の果実」と懐かしい名曲が続く中、改めて会場を見渡した桑田は「よく甲子園には魔物がいるって言いますけど、ここ(武道館)にもなんかね、神様がいますね」としみじみ。武道館からほど近い九段会館でのデビューコンサートを振り返り、「いつか武道館でやるぞって言ってね。本当にできたね」と嬉しそうな表情を見せた。終盤は「東京VICTORY」や「アロエ」、「マチルダBABY」、「エロティカ・セブン(EROTICA SEVEN)」、「ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)」、「マンピーのG★SPOT」とハイテンションな曲が続き、ファンも一緒に踊ったり、歌ったりと笑顔で楽しむ。ここ最近のサザンのライブではおなじみとなった腕時計型の無線制御ライトも演出に華を添え、一体感を増幅させていた。

 アンコールの「みんなのうた」ではスクリーンに“嗚呼 武道館、またやろうね!”という文字が映し出されるなど、何度もファンに対して「また会いましょう!」と話していた桑田。過去最大規模の全国ツアー「おいしい葡萄の旅」は終わったものの、この言葉はサザンオールスターズの次なる展開を予感させるものとなった。