「日本のAVにも著作権アリ」判決に、愛好家が戦々恐々!? 韓国から日本のAVが消える日 | ニコニコニュース

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日刊サイゾー

 韓国の地方裁判所で、世間の注目を集める判決が下った。

 釜山地方裁判所民事部が、「韓国国内において、日本のAVも著作権法の保護対象であると認める」としたのだ。日本のAVメーカー15社および彼らに映像配信権を得ていた企業が、韓国でオンラインファイル共有サイト(動画サイト)を運営している企業に対し、映像物の複製禁止などの仮処分を求めて韓国の司法当局に申請を出していたが、これを同裁判所が認めた形だ。同裁判所は今回の判決について、「表現されている内容、すなわち思想や感情そのものの倫理性は問題にならない。内容が不道徳であったり、違法な部分があっても、(韓国の)著作権法上、著作物として保護され得る」という公式見解を発表している。

 これは、韓国国内の裁判所の判決としては、初めてのケースとなる。韓国メディアは、「これを樹に、他国のAVメーカーの訴訟が相次ぐかもしれない」と予想しており、ネットユーザーを中心に今後の展開を“懸念”する書き込みも散見される。

 そもそも、韓国ではAVの制作・流通は実質的に違法となっている。というのも、韓国では映像商品を制作すると、内容を審査する機関を通さなければならないのだが、その審査のハードルが日本と比べて異様に高い。ポルノに近いものもあるにはあるが、日本のAVのようなクオリティーだと“淫乱物”というくくりになり、流通させると違法になる。また、「近親相姦」「レイプ」「未成年」などを連想させるものは、審査を通るどころか制作自体が違法となる可能性もある。ちなみに、乳首が出てもアウト。モザイク処理をしなければならない。

 淫乱物を取り締まる法律もさまざまで、刑法、情報通信網法、そして児童・青少年の性保護に関する法律などで罰則が設けられている。特に3番目の法律に違反した場合は、最高で無期懲役刑まであるそうだ。

  韓国では先頃、勤務中に淫乱物を800作品ほどダウンロードし続けた男性が企業側に解雇されたが、裁判所は「解雇は合法」という判決を出した。また、警察当局内部では、勤務中に淫乱物を見た職員がいた場合、退職させることも辞さないというルールを設けている。韓国は社会的にも法律的にも、淫乱物に厳しいのだ。

 となると、淫乱物は違法に配信・流通することが常となる。韓国では日本のAVが大人気である。中には字幕をつけて配布する愛好家もいる。国内のAV商品がほとんどないという事情を鑑みれば、当然といえば当然。そして、その日本製AVは、主に違法動画サイトを通じて楽しまれていた。今回の判決は、ただでさえ厳しい韓国のAV事情に、さらなる圧力となる可能性がある。海外AV企業の著作権を認めるのであれば、違法サイト摘発にさらなる力を注ぐことになるはずだからだ。今後、韓国から日本のAVが消えてゆくのだろうか? PCの向こう側から、韓国人男性たちの悲鳴が聞こえてきそうである。
(取材・文=河鐘基)