アフリカ・タンザニアの約184万年前の地層から、古人類の左手小指の化石を発見したと、スペインのコンプルテンセ大などの国際研究チームが18日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。

 化石は小指の付け根の骨で、長さ3.5センチ程度。大きさや微妙にカーブした形状が約20万年前に出現した現生人類(ホモ・サピエンス)の指に近く、石器を作って使いこなせる器用な手を持つ人類が当時既に出現していた可能性が考えられるという。

 これまでに発見された最古の石器は、タンザニアの隣国ケニアの約330万年前の地層から見つかった。エチオピアの約340万年前の地層からは、石器で傷つけたとみられる跡が残る大型動物の骨の化石が見つかっている。

 今回の指化石は原人のものの可能性があるが、種ははっきりしない。石器を使って栄養のある食物を入手する生活が続けば、脳や手が発達し、さらに精巧な石器や道具を作れるようになると考えられ、手の指の化石は進化の解明に役立つと期待される。