政府への抗議激化=爆発で賠償・汚染訴え―中国天津 | ニコニコニュース

 【天津時事】中国天津市の港湾地区「浜海新区」で発生した巨大爆発事故で自宅マンションなどが損壊した周辺住民300人以上が17日、市政府の記者会見が行われたホテル前で政府に対し、住宅の買い取りなどの補償や、有毒物質が拡散して汚染が広がったことへの賠償などを要求して抗議活動を展開した。

 抗議は約3時間半にわたり続き、住民代表は当局ともみ合いの末、住民の訴えや不満を処理する地元政府の陳情窓口に向かった。今後も政府に対する住民の抗議が激化する可能性が高い。

 ホテル内で開かれた記者会見には、安全生産担当の何樹山副市長が初登場。会見では、現場には約700トンに上る毒性の強いシアン化ナトリウムが残留し、爆発地点の地表の水では最大で基準値の27倍に達していたことが明らかにされ、住民の不安が高まっている。

 17日午前時点の死者は114人で、身元が確認された54人のうち39人が消防関係者。行方不明者は70人に上っており、このうち64人が消防関係者となっている。このほか、負傷者698人が入院している。

 抗議活動を起こしたのは、爆発地点から約600メートル離れたマンションを含む住宅群「海港城」などの住民。友人宅に避難したマンションの男性住民は「近隣住民の中には爆風による落下物で亡くなった子供がいるほか、多数の重軽傷者が出た。家の中はぐちゃぐちゃで、もう住めない」と述べ、「政府や開発業者から事前に(危険化学物質の倉庫があると)何も知らされていなかった。汚染が深刻化し、子供の健康はどうなるのか」と強く訴えた。