まだ2年縛りで買う? 格安スマホの魅力を徹底解説

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そろそろデビューしてみませんか?

大手の携帯電話キャリアではなく、いわゆるMVNO格安SIMで通信費を抑える節約術について、巷で耳にする機会が増えてきました。毎月の携帯電話料金って、バカにならないものがありますからね。でも、あの「格安」という言葉には抵抗もあります。つまり、安かろう、悪かろうなんじゃ……。

とりわけ現在でも、新しいスマートフォンを2年縛りの契約で購入し、代わりに毎月の通信料金から携帯電話の購入代金が割り引かれるシステムに魅力を覚える人は多いはずです。MVNOの格安SIMでは、さすがに大手の携帯電話キャリアとは違って、最新のハイエンドモデルを大幅に値引きしてはもらえませんからね~。

しかしながら、こういう携帯電話会社に縛られる購入スタイルは、もうそんなに長くは続かないとの意見も出てきていますよ。米GizmodoのMario Aguilar記者は、自らの体験をとおして、今後は格安スマホ全盛期になるなと実感しているそうです。なかなか納得できる考察も綴られているので、ここでご紹介いたしましょう。

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チープな携帯電話を購入してしまうほど、ずっと後々まで後悔させられる経験はありません。その性能の悪さに文句をつけながら、買ってしまった以上は長く使い続けないといけませんからね。だから、どうしても高級なモデルを、携帯電話キャリアとの複数年契約で値引き購入したくなるものですが……。

携帯電話会社に縛られる買い方は終わりを迎える


私は2年前に「iPhone 5s」を購入しました。米大手キャリアのAT&Tとの2年契約を結ぶ代わりに、当時の最新モデルを200ドル(約2万4000円)で買えるプランが魅力的でしたからね。ただし、この2年契約というのはつらい縛りでした。その間に、どれほど他社で優れた料金プランの携帯電話サービスが出てきても、気軽に乗り換える自由を奪われてしまうことに同意するわけですから。

それに引き換え、同じiPhone 5sを、2年契約なしのSIMフリーモデルで購入したければ、最初に650ドル(約7万8000円)をドドンと支払わなければいけません。この日本円にして5万円以上という初めの出費の差は大きいですよね。それに、iPhoneは、長らく一国一キャリアからしか販売されない方針もあって、とにかく普通にiPhoneがほしければ、米国内ではAT&Tと契約する以外の道は残されていなかったのですよね。

ただし、そんなことは昔の話。いまはT-Mobileからも、VerizonやSprintからも、なに不自由なくiPhoneが買える時代となりました。おまけに、iPhone販売では後発の携帯電話キャリアは、2年間の縛りなしでiPhoneを購入することが前提となる、魅力的な新料金プランを打ち出していますよ。きっとAT&Tも、この波に乗り遅れることがないよう、アプローチを変えざるを得なくなるでしょうけど。

携帯電話は最初に一括払いで購入。その後は、いつでもユーザーが乗り換えたいタイミングで、自由に携帯電話キャリアを変更できる。このスタイルがスタンダードになると、初めにまとまった購入資金がいるようにはなりますけど、結局はユーザーにとってメリットが大きくなります。だって、携帯電話キャリアは、うかうかユーザーに愛想を尽かされるような魅力のない料金プランやサービスしか提供していないと、すぐにユーザーを失ってしまうので、必死でサービスの向上に取り組むようになりますからね。

一括払いでも安く買える携帯電話が増えてきた


2年前、iPhone 5sは、携帯電話会社との複数年契約がなければ、日本円にして8万円ほどもかかる高額のモデルでした。でも、いまはそんなに高いお金を払わなくても、もっと安くで、すばらしい最新モデルが購入できるようになりましたよね……。


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私がiPhone 5sを購入した直後、衝撃的な携帯電話が姿を現わしました。2013年10月、グーグルが発売した「Nexus 5」は、わずか350ドル(約4万2000円)という値段だったのに、当時のフラッグシップモデルのスマートフォンと遜色ない高性能ぶり! 確かに私はiPhone 5sを200ドルで買えました。でも、その代わりに2年間の自由を失ったのです。ところが、Nexus 5ならば、普通なら650ドルもするiPhone 5sの半額で、どこの携帯電話キャリアにも縛られることなく買えてしまうのです。

とても魅力的なSIMフリーのモデルを、携帯電話会社との複数年契約なしで買える時代の到来。それまでは、日本円にして2万円や3万円でスマートフォンなど購入しようものならば、後々まで泣かされる最悪のクオリティでしかありませんでしたよね。メールや音楽くらいは問題なく使えても、あとはなにをしようにもスペックの低さを思い知らされる出来栄え。こんなものを使うくらいなら、たとえ携帯電話キャリアに縛られる買い方でも、ハイエンドなモデルを購入しておこう。

その常識を変えた存在として、Nexus 5の役割は非常に大きかったと感じていますよ。2万円や3万円で、こんなにいいモデルのスマートフォンが手に入るならば、わざわざ2年も携帯電話会社に縛られて、ほかのモデルを買う必要なんてないですよね。いまは逆にこういう考え方がスタンダードになりつつあるのですから。

これからのトレンドは格安スマホが定める


Nexus 5の登場から2年が過ぎようとしている現在、市場にはSIMフリーの格安スマホに位置づけられるモデルが続々と投入されています。そのなかでも、175ドルで買える「Moto G」と、330ドル(約3万9000円)で買える「OnePlus 2」には注目していますね。Moto Gは、カメラの性能がなかなかですし、防水仕様でバッテリーも長持ちします。一方のOnePlus 2は、やや値が張るだけあって、デザイン面でも魅力的ですし、スクリーンの美しさが群を抜いていますよ。

もちろん、シンプルな格安スマホには、携帯電話キャリアがフラッグシップモデルとして売り込んでくるハイエンドスマホのような最新機能はないでしょう。とはいえ、あの「Galaxy Note Edge」のエッジスクリーンなんて、本当に必要でしょうか? LGからは曲げられるスマホが出てますけど、そんな性能を、わざわざ高いお金を払ってまで手に入れなければなりませんか?

むしろ、いろいろと不要なアプリや、キャリアによってカスタマイズされてしまった使いにくいサービスが、格安スマホには最初から入っていないというメリットがあります。ほしいアプリがあるならば、購入後に自分でダウンロードすればよいのです。そのほうが、より自分にあったスマートフォンを使い続けられます。余計なものがインストールされていないスマホは、かえってバッテリーも長持ちしていいですしね。

優れた格安スマホが出そろうことで、ついに大手を振って携帯電話キャリアに縛られる生活とはさようならですよ!

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いかがでしたか? さすがに最新モデルのiPhoneやGalaxyスマホを、素のままの値段で購入すると高いです。でも、日本国内でも、いろいろと魅力的な格安スマホが買えるようになってきました。もうこれで自分のライフスタイルには十分だという人が、今後はドンドンと大手の携帯電話キャリアのサービスからは離れていってしまうのかもしれませんよね。いつの間にか、格安SIMユーザーのほうがスタンダードになる時代がやってくるかもしれないのです。


Mario Aguilar - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)